日本キリスト教協議会

日本キリスト教協議会（NCC）とは

日本キリスト教協議会（National Christian Council Japan, NCC）は、日本のキリスト教エキュメニカル運動を推進する団体です。プロテスタント諸教派が連携し、1923年に設立された日本基督教連盟を前身としています。1948年に再設立され、現在の名称となりました。NCCは、日本基督教団、日本聖公会など6つの教団と、YMCAやYWCAを含む約30のキリスト教系市民団体で構成されています。

NCCの基本姿勢

NCCは、過去の戦争における日本のキリスト教界の協力責任を深く反省し、「神とアジア・太平洋地域の人々になした罪責を告白」しています。この歴史認識に基づき、正義と信頼に基づいた平和な関係を築くことを目指しています。特に、太平洋戦争を「日本国家による欧米の植民地であるアジア・太平洋地域への侵略戦争」と捉え、日本の戦争犯罪を追及する活動を積極的に展開しています。

主な活動内容

NCCは、幅広いテーマに取り組んでいます。以下に主な活動内容をまとめました。

歴史問題への取り組み：
従軍慰安婦問題：韓国のキリスト教団体と協力し、国際的な問題として提起。元慰安婦の女性を招き、日本政府に抗議。慰安婦問題に関する日韓合意の白紙撤回を求め、明確な謝罪と賠償を要求。
植民地政策：旧日本領であった台湾や朝鮮半島への植民地政策を批判し、歴史責任を追及。在日韓国・朝鮮人に対する差別政策の中止を訴える。
平和と人権に関わる活動：
天皇制：天皇制は宗教色が強く、政教分離の原則に反すると批判。天皇即位儀礼への公金支出にも反対。
有事法制：有事法制に批判的な立場を取り、平和を訴える。
原子力発電：原発に批判的な立場を取り、脱原発を訴える。
靖国神社：靖国神社参拝に反対し、政教分離の原則を主張。
死刑制度：死刑制度に反対。
憲法改正：憲法改正（特に愛国心教育を盛り込んだ教育基本法改正）に反対。
国際的な連携：
北朝鮮訪問：在日大韓基督教会と合同で北朝鮮を訪問し、朝鮮キリスト教連盟と協議。日本の戦争責任を謝罪し、朝鮮半島の統一を祈祷。北朝鮮の社会施策を評価する一方、信教の自由や一党独裁については言及せず。
韓国との連携：韓国キリスト教教会協議会と協力し、日韓併合条約の無効化や日本政府の賠償を要求。THAADミサイル配備や北朝鮮への制裁を批判。
声明発表:
皇室報道への批判：皇太子徳仁親王（当時）の長女愛子内親王誕生時の過剰な報道を批判し、天皇や皇族を特別視する態度に抗議。
国旗・国歌強制反対：国旗「日の丸」・国歌「君が代」の強制に反対する声明を発表。
安倍元首相の国葬反対：安倍元首相の国葬に反対する声明を発表。旧統一協会との関係を指摘。
その他の活動：
「広げよう　安倍9条改憲NO!3000万人署名」に参加。
韓国ソウルでの「戦争と女性の人権博物館建設」募金活動。
軍艦島の世界遺産登録に反対。

加盟教派・団体

NCCには、以下の教派・教団、団体が加盟しています。

教派・教団：
日本基督教団
日本聖公会
日本バプテスト連盟
日本福音ルーテル教会
日本バプテスト同盟
在日大韓基督教会
団体：
日本YMCA同盟
日本YWCA
日本キリスト教婦人矯風会
日本キリスト者医科連盟
日本聖書協会
日本基督教文化協会
キリスト教視聴覚センター

准加盟団体

アジア保健研修所、ウェスレー財団など多数の団体が准加盟しています。

部門加盟・参加

教育部、信仰と職制委員会、平和・核問題委員会、靖国神社問題委員会などがあります。カトリック教会などとも協力しています。

歴代議長

初代議長は小崎道雄氏で、以降、富田満氏、武藤健氏、李仁夏氏、徳善義和氏、鈴木伶子氏、輿石勇氏、小橋孝一氏、渡部信氏などを経て、現在は吉高叶氏が議長を務めています。

まとめ

日本キリスト教協議会は、日本のキリスト教界が連携し、過去の戦争責任を反省しつつ、平和と正義を追求する団体です。国内外の様々な問題に取り組み、積極的に発言しています。

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