キリル・ゲルシュタイン

キリル・ゲルシュタインは、1979年10月23日にロシアのヴォロネジで生まれたピアニストです。幼い頃からクラシックピアノの研鑽を積み、12歳でポーランドで開催された国際バッハコンクールで優勝しました。その後、父親の影響でジャズに興味を持ち、1993年にはバークリー音楽大学のサマースクールに招かれています。さらに、14歳で同大学の正規学生となり、大学史上最年少の大学生として注目を集めました。

しかし、その後再びクラシック音楽の世界に戻り、マンハッタン音楽学校でソロモン・ミコウスキーに師事しました。20歳で音楽学の学士号と修士号を取得後、スペインのマドリードにあるソフィア王妃音楽大学でドミトリー・バシキーロフ、クラウディオ・マルティネス・メーナーらに師事し、研鑽を積みました。2003年と2004年には、コモ湖国際ピアノアカデミーにも参加しています。

2003年にはアメリカの市民権を取得しました。教育者としては、ドイツのシュトゥットガルト音楽演劇大学で教授を務め、後進の指導にも熱心に取り組んでいます。

ゲルシュタインは、数々の国際コンクールで輝かしい成績を収めています。1993年にはポーランドのクラクフで開催された第1回バッハコンクールで優勝し、2001年にはテルアビブで開催されたルービンシュタイン国際ピアノコンクールでも優勝を果たしました。2010年には、ギルモア・アーティスト賞を受賞しています。

オーケストラとの共演も数多く、2000年にはデイヴィッド・ジンマン指揮、チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団との共演でオーケストラデビューを飾りました。その後も、シャルル・デュトワ指揮のロイヤルフィルハーモニー管弦楽団、BBCプロムスコンサートなど、著名なオーケストラとの共演を重ねています。2009年12月には、シャルル・デュトワ指揮のNHK交響楽団とショスタコーヴィチのピアノ協奏曲第2番を演奏し、高い評価を得ました。

ゲルシュタインは、これまでに数枚のアルバムをリリースしています。その中でも、2008年にリリースされた『 J.S. バッハ／ベートーヴェン／スクリャービン／ワイルド：ピアノ作品集』は、彼の幅広いレパートリーと卓越した演奏技術を示す作品として知られています。

キリル・ゲルシュタインは、クラシック音楽とジャズの両分野で才能を発揮する稀有なピアニストとして、世界中で活躍を続けています。

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