キング (チェス)

チェスのキングについて

チェスのキング（King、♔♚）は、チェスにおける最も重要な駒です。王を表し、その象徴として十字架のついた王冠の形をしています。チェスの目的は、相手のキングを逃げられない状態、つまりチェックメイトに追い詰めることです。

初期配置

ゲーム開始時、白キングはチェスボードのe1マス、黒キングはe8マスに配置されます。チェスの棋譜では、キングは「K」と表記されます。

基本的な動き

キングは、縦、横、斜めのいずれの方向にも1マスだけ移動できます。ただし、味方の駒が置かれているマスには移動できません。また、敵の駒が効いているマス（そこへ移動すると確実に取られてしまうマス）へも移動することはできません。

敵の駒が移動可能なマスにいる場合、その駒を取ってそのマスに移動できます。

例外的な動き：キャスリング

キャスリングは、キングとルークを同時に動かす特殊な動きです。各プレイヤーはゲーム中に一度だけこの権利を行使できます。キャスリングには、以下の2種類があります。

キングサイド・キャスリング

ショート・キャスリングとも呼ばれ、単に「キャスリング」という場合、通常はこちらを指します。記号は「0-0」または「O-O」と表記されます。

クイーンサイド・キャスリング

ロング・キャスリングとも呼ばれます。記号は「0-0-0」または「O-O-O」と表記されます。

キャスリングには、守るべき条件（制約）がいくつか存在します。

キングの価値

チェスにおいて、キングは他のどの駒よりも価値が高いとされます。他の駒の価値は局面によって変動しますが、キングだけは例外です。戦況が有利であっても、自分のキングがチェックメイトされれば負けとなります。

もしキングが取られても良い駒だとした場合、その価値は「4」程度と推定されています。

チェックとチェックメイト

チェック

キング以外の駒で敵のキングを攻撃することを「チェック」と呼びます。記号は「+」で表されます。チェックされた側は、キングが取られないように必ず対処しなければなりません。

チェックの対処法は以下の3つです。

1. キングを敵の駒が効いていない安全なマスに移動させる。
2. 味方の駒で敵の攻撃を防御する。
3. チェックをかけている敵の駒を取る。

チェックメイト

チェックされた状態から、どうしても逃れることのできない状態を「チェックメイト」（または「メイト」）と呼びます。記号は「#」で表され、チェックメイトされた時点でゲームは終了となります。

チェックメイトの形は多種多様で複雑なものも多く、味方の駒だけでなく敵の駒も関係することがあります。例えば、キングの逃げ道を味方の駒が塞いでしまうことで、チェックメイトになることもあります。

チェックメイトとステイルメイト

チェスでは、キングが自殺するような手は禁止されています。敵の駒が効いているマスへキングを移動させることはできません。また、キング以外の駒が、キングを敵の駒が効いているマスへ誘導することもできません。

チェックではない状態で、敵のキングを動けない状況に追い込むことはルール上可能です。この場合、チェックメイトではなく「ステイルメイト」（手詰まり）となり、ゲームは引き分けとなります。

チェックメイト（攻撃されている側から見た場合）

• - 自分の手番である。
• - 現在チェックされている。
• - 合法手がない。つまり、反則にならずに次に動かせる駒が一つもない。

ステイルメイト（攻撃されている側から見た場合）

• - 自分の手番である。
• - 現在チェックされていない。
• - 合法手がない。つまり、反則にならずに次に動かせる駒が一つもない。

脚注

注釈

出典

関連項目

• - チェス用語一覧
• - 玉将 - 将棋の駒で、キングに相当しますが、キャスリングのルールは存在しません。

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