玉将

玉将と王将

玉将（ぎょくしょう）および王将（おうしょう）は将棋において重要な駒です。これらは本将棋、平安将棋、そしてその他の様々な将棋類に存在します。玉将の基本的な動きは、チェスのキングやどうぶつしょうぎのライオンと同じで、攻撃の中心的役割を果たします。英語では「king」と訳され、その略号は「K」とされます。

概要

玉将は一般に「玉」と呼ばれます。将棋においては、相手の玉将を取れることが確定した時点で勝利が決まります（これを詰みとも言います）。そのため、玉将はゲーム中に実際に取られることは少なく、王手（相手の玉将を取る準備ができている状態）をかけることが重要です。相手の玉を露出させると、王手放置の反則が成立します。このため、玉将で敵の駒を取る際には、動かせる範囲が制限されます。

小将棋や中将棋などでは、太子または王子が登場するため、相手の駒がこれらの場合、玉将が敵の駒を取る場合もあります。

玉将に関する格言がいくつかあり、以下の3つが特に有名です。

• - 居玉は避けよ：玉将が初期位置に留まると、王手飛車取りの危険が高まります。敵からの攻撃を避けるためには、可能な限り玉を移動させることが求められます。
• - 中段玉は寄せにくし：盤面の中段に玉を配置すると、敵から狙われにくくなる一方で、守りの強化が図れるため、厳しい局面で逆転のチャンスを生む可能性があります。
• - 角筋の玉受け難し：角行の攻撃範囲に玉を置くと危険です。じり貧に陥りやすいため、これを避ける必要があります。

玉将はプレイヤーの防御の要であり、相手の攻撃を受けつつ自らの勝利に繋げるために必要です。自玉が詰み筋に入る前に安全な位置へ避難させる「早逃げ」や、周囲の駒に関わらず自由に動ける特性を利用した「顔面受け」などの戦略が駆使されます。

歴史

玉将は古代のチャトランガにおける王に由来する駒で、他の国の将棋系ゲームでも同様の役割を果たします。たとえば、チェスではキング、シャンチーでは将・帥、マークルックではクンとして知られています。これらの駒も、玉将と同様に、詰まされると負けになるという共通の特性があります。

玉将と王将の違い

元々、将棋には「玉将」しか存在しなかったと考えられています。平安将棋には玉将が存在したものの、王将はありませんでした。しかし、時間の経過とともに「王将」という用語も使われるようになりました。この二つの駒の実質的な差異はほとんどありませんが、「王将」は上位者（後手）が使い、下位者（先手）が玉将を使用する慣例が生まれました。

また、詰将棋においては玉将が一般的に用いられ、双玉詰将棋の攻め方では王将を使うこともあります。玉は宝物に由来する名称であるため、王将を「王様」と表現するのは誤りだとされていますが、一般的には玉と王のどちらも交互に用いて問題視されていません。

結論

玉将は将棋における核心的な駒の一つであり、正しい使い方を身につけることが勝利のカギとなります。楽しく魅力あふれる将棋の世界において、この駒を上手に活用し、対戦相手を打ち負かすための戦術を鍛えましょう。

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