キング (トランプ)

キング（トランプの絵札）

トランプのキング（英語: King）は、通常13のランクを持つ男性君主の絵柄が描かれた特別なカードです。一般的に、キングはクイーンよりも強いとされていますが、ゲームによってはエースが最も強力なカードとされています。一方で、特定のゲームではキングが最強のカードであり、これによりプレイヤーにとっては重要な戦略的役割を果たします。たとえば、ピノクルやシュナプセンなどのヨーロッパのカードゲームでは、エースと10がキングよりも強いと位置付けられています。

キングのデザインと特徴

トランプの中で特に注目を集めるのが、ハートのキングです。彼の絵柄は、剣が頭に突き刺さっているように見えるため、「自殺するキング」と呼ばれることがあります。しかし、実際には別の人物が彼を刺している場面のデザインも存在し、これによって剣と手の持ち主について意見が分かれています。また、ハートのキングは4体のキングの中で唯一、口ひげを生やしていないという独特の姿勢を持っています。

ダイヤのキングは、剣の代わりに斧を持っており、「斧を持つ男」という愛称が付いています。スペードのキングは右側を向いている唯一のキングで、クラブのキングは武器を地面に置いている姿勢をとっている点が特徴です。これらのデザインは、ゲームプレイにおいてもプレイヤーの戦略や心理戦に影響を与えています。

フランス式デッキの歴史

フランスタイプのトランプデッキでは、各絵札に名前が与えられています。特に、1649年から1660年の間、英国ではトランプの製造が禁止されていたため、チャールズ2世の王政復古に伴い再びトランプがプレイされるようになりました。この過程で、フランス式のスートに基づくデッキが普及することとなりましたが、絵札の名前は伝わらず、その後、15世紀頃からフランスのトランプ製造業者が歴史や神話に基づいたデザインを採用するようになりました。ただしこの慣習は19世紀にはほとんど失われています。

特にフランス式において、各キングのデザインと名称は以下のように知られています。

• - ハートのキング: 頭に剣を突き刺した姿
• - ダイヤのキング: 斧を持つ男性
• - スペードのキング: 右を向いている
• - クラブのキング: 武器を地面に置いている

これに加え、特定のゲームでは、特にキングのカードを4枚すべて持つプレイヤーは「四騎士（the four horsemen）」と呼ばれ、特別な役割を果たします。

その他の地域における表記

地域によっては、トランプのインデックスにも違いが見られます。ゲルマン語やスラブ語圏では「K」（King）と書かれ、ロマンス語圏では「R」（フランス語で「roi」＝王）で表されることが一般的です。また、ラテン式のカードでも王が最高位の絵札となりますが、数札の10が存在しないため、インデックスは12と表記されることが多いです。

関連項目

キングに関連する文化的な表現も存在します。例えば、1966年のフランス映画『ハートのキング』や、アメリカ合衆国のプロレスラーであるエディ・キングストン、さらには日本のミュージシャン「王様」などが挙げられます。これらの表現は、トランプのキングが持つ力強さや存在感を示しています。


このように、トランプのキングは、ただのゲームの一部にとどまらず、歴史的背景や文化的影響を含む多面性を持った重要な存在であることがわかります。

もう一度検索