キングス・コンソート

キングス・コンソート（The King's Consort）

キングス・コンソートは、1980年にイギリスで設立された著名な古楽演奏団体です。創設以来、指揮者ロバート・キングが長年にわたりその芸術的方向性を主導し、バロック音楽を中心に、古楽器を用いた歴史的演奏実践を探求する活動を展開してきました。特に、モンテヴェルディ、パーセル、ヴィヴァルディ、バッハ、ヘンデルといった作曲家の宗教曲やオラトリオの解釈において、高い評価を得ています。

このアンサンブルは、単に楽譜を演奏するだけでなく、当時の演奏環境や慣習を深く研究し、それを現代に蘇らせることを目指しています。彼らの活動は常に意欲的であり、その代表的な業績としては、ジョージ2世の戴冠式における音楽の模様を歴史的な視点から再現した録音や、ヘンデル作曲の「王宮の花火の音楽」を、原典版に基づき初めて古楽器によって演奏したことが挙げられます。これらのプロジェクトは、古楽演奏における新たな地平を切り開くものとして注目されました。

長年にわたり、キングス・コンソートは数多くの優れた録音を制作しており、その多くはイギリスの著名なクラシック音楽レーベルであるハイペリオン・レコードからリリースされています。これらの録音は、彼らの専門とするレパートリーにおける彼らの卓越した技術と深い音楽性を広く世界に伝えています。

楽団の歴史において、2007年は大きな転換点となりました。創設者であるロバート・キングが個人的な問題を抱え、活動の継続が困難となったため、楽団の将来が危ぶまれた時期があったのです。しかし、このような危機的な状況を乗り越えるため、アンサンブルは新たな道を歩み始めました。経験豊かなチェンバロ奏者であるマシュー・ホールズが音楽監督の職を引き継ぎ、楽団の芸術活動を継続させることとなりました。マシュー・ホールズのリーダーシップのもと、キングス・コンソートは古楽界における重要な存在であり続け、その質の高い演奏は多くの聴衆を魅了しています。

キングス・コンソートは、バロック音楽の豊かな遺産を現代に伝え、歴史的演奏実践の重要性を示す活動を続けています。彼らの探究心と音楽への真摯な取り組みは、古楽ファンにとって欠かせない存在となっています。

関連事項

コンソート：本アンサンブルの名称にも含まれる古楽用語。器楽合奏の形態を指す。

出典

公式ウェブサイト（英語）

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