キンロス卿

キンロス卿：スコットランド貴族の爵位

キンロス卿は、スコットランド貴族のロード・オヴ・パーラメントであり、法律家エドワード・ブルースが1602年に叙爵されたことに始まります。その後の歴史の中で、複数の伯爵位との統合、一時的な休止、そして女系継承を経て、現代までその爵位は存続しています。

歴史

ブルース氏族出身の法律家エドワード・ブルース(1548–1611)は、1602年2月2日に相続人・譲受人への継承を定めたキンロス卿に叙せられました。彼の三男である3代卿トマス・ブルース(1599–1663)は、ブルース家の紋章と姓名を受け継ぐ男子相続人への継承を定めたエルギン伯爵にも叙せられました。

4代卿(2代エルギン伯)ロバート・ブルース(1627–1685)は、1664年3月18日にイングランド貴族爵位であるアイルズベリー伯爵に叙爵されました。しかし、6代卿(4代エルギン伯・2代アイルズベリー伯)チャールズ・ブルース(1682–1747)が男子なく死去したことで、アイルズベリー伯爵位は廃絶。エルギン伯爵位は、初代キンロス卿の父エドワードに遡る分流である第9代キンカーディン伯爵チャールズ・ブルース(1732-1771)に継承されました。

キンロス卿は一時的に休止状態となりましたが、1868年7月21日に女系継承が認められている爵位であることが確認され、以下の順で継承されました。

6代卿の娘メアリー・ブルース(-1738)と第2代シャンドス公爵ヘンリー・ブリッジス(1708-1771)の息子である3代シャンドス公爵ジェイムズ・ブリッジス(1731–1789)が7代卿を継承。
ジェイムズが男子なく死去した後は、娘アン(1779–1836)が8代女卿を継承。
アンの死後は、彼女と初代バッキンガム＝シャンドス公爵リチャード・テンプル＝グレンヴィル(1776-1839)の長男である第2代バッキンガム＝シャンドス公爵リチャード・プランタジネット・テンプル＝ニュージェント＝ブリッジス＝シャンドス＝グレンヴィル(1797–1861)が9代卿を継承。
リチャードの死後は、長男である3代バッキンガム＝シャンドス公爵リチャード・プランタジネット・キャンベル・テンプル＝ニュージェント＝ブリッジス＝シャンドス＝グレンヴィル(1823–1889)が10代卿を継承。

10代卿には男子がいなかったため、娘メアリー(1852–1944)が11代女卿を継承。彼女はルイス・モーガン(1861-1896)と結婚し、モーガン＝グレンヴィルと改姓しました。彼女の死後は、次男ルイス・グレンヴィル(1889-1944)の長女ベアトリス(1922–2012)が12代女卿を継承。彼女はグレヴィル・フリーマン(1918-2005)と結婚し、フリーマン＝グレンヴィルに改姓しました。

ベアトリスの死後は、次女テレサ・メアリー・ニュージェント・フリーマン＝グレンヴィル(1957-)が13代女卿を継承し、現在に至ります。

キンロス卿 (1602年)

初代キンロス卿エドワード・ブルース (1548–1611)
2代キンロス卿エドワード・ブルース (1594–1613)
3代キンロス卿・初代エルギン伯トマス・ブルース (1599–1663)
4代キンロス卿・2代エルギン伯・初代アイルズベリー伯ロバート・ブルース (1627–1685)
5代キンロス卿・3代エルギン伯・2代アイルズベリー伯トマス・ブルース (1656–1741)
6代キンロス卿・4代エルギン伯・3代アイルズベリー伯チャールズ・ブルース (1682–1747)
7代キンロス卿・3代シャンドス公ジェイムズ・ブリッジス (1731–1789) デ・ジュリ
8代キンロス女卿アン・エリザベス・テンプル＝ニュージェント＝ブリッジス＝シャンドス＝グレンヴィル (1779–1836) デ・ジュリ
9代キンロス卿・2代バッキンガム＝シャンドス公リチャード・プランタジネット・テンプル＝ニュージェント＝ブリッジス＝シャンドス＝グレンヴィル (1797–1861) デ・ジュリ
10代キンロス卿・3代バッキンガム＝シャンドス公リチャード・プランタジネット・キャンベル・テンプル＝ニュージェント＝ブリッジス＝シャンドス＝グレンヴィル (1823–1889)
11代キンロス女卿メアリー・モーガン＝グレンヴィル (1852–1944)
12代キンロス女卿ベアトリス・メアリー・グレンヴィル・フリーマン＝グレンヴィル (1922–2012)
13代キンロス女卿テレサ・メアリー・ニュージェント・フリーマン＝グレンヴィル (1957-)

推定相続人は現当主の妹ヘスター・ハワース (1960-)

関連項目

エルギン伯爵
キンカーディン伯爵
エイルズベリー侯爵
シャンドス公爵
バッキンガム＝シャンドス公爵

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