キートン山田

キートン山田（きーとんやまだ）は、1945年に北海道で生まれた日本の元声優、俳優、ナレーターである。本名は山田俊司（やまだしゅんじ）であり、彼の長いキャリアは多くのアニメやテレビ番組にわたる。最終的にはリマックスに所属していた。

経歴

山田は、1945年に北海道空知郡北村（現在の岩見沢市）に誕生し、4歳の時に養子に出され、勇払郡穂別町（現在のむかわ町）へと移る。中学を卒業後、再び生家に戻り、その後三笠市へ転居。1963年に北海道三笠高等学校を卒業して上京、建設会社に勤めることになった。

しかし、彼はサラリーマン生活に疑問を持ち、役者を志すことを決意する。「劇団員募集」の広告に惹かれ、日本児童芸能学園を経て劇団日本児童に入団。サラリーマンとの掛け持ちは4年間続いたが、22歳の時に役者活動に専念するため退職した。退職に対しては、家族からの反対もあったが、自身の夢を追い求める姿勢は貫いた。

キャリア

役者として活動を始めた山田は、アルバイトをしながら声優業にも携わり始め、青二プロダクションに所属。その後ぷろだくしょんバオバブ、賢プロダクション、リマックスと所属事務所を移りながら、声優としての活動を広げていった。特に、1970年代のアニメブームに乗り、多くのアニメ作品で声を担当。一番知られている役として、『ゲッターロボ』の神隼人を挙げることができる。

1980年代には声優業が中心となり、多くの作品に出演するが、次第に仕事が減少。その時期には、青二プロダクションを退所し、安定した生活を求めるように考えたこともあった。生活は厳しく、日雇いの仕事や内職で家計を支えながら、ナレーション業への道を模索していく。

1983年、山田は「キートン山田」に改名。この名字は、喜劇俳優バスター・キートンにちなんで名付けられたとも、また「聞いとんのか、山田」という言葉から生まれたとも言われている。この改名をきっかけに、ナレーターとしての活動が本格化し、特に1990年から開始した『ちびまる子ちゃん』のナレーションで「キートン節」と呼ばれるスタイルを確立。よく知られるナレーションスタイルとして知られることとなった。

引退までの道のり

2014年、山田は声優アワードの功労賞を受賞。2020年に73歳となった彼は、声優業からの引退を発表し、2021年3月末をもって活動を終えることを決意。同年『ちびまる子ちゃん』のナレーションも降板し、28年半の関わりに幕を下ろした。

個人の特徴とエピソード

山田の声種はバリトンからテノール。彼は時に脇役やクールな悪役を演じることが多かったが、それでも脇役の方が自身の想像力を豊かに表現できると考えていた。また、アドリブにも積極的で、『一休さん』の将軍役では自由な演技が許された結果、自己流の解釈で演じることを楽しんでいた。

趣味の一つとしてはマラソンが挙げられ、59歳からはホノルル[[マラソン]]にも参加し、以降も多くの大会を完走している。また、静岡県に移住し、静かな生活を享受していたこともあり、東京との往復をしながら仕事をしていた。

その後、2016年には32歳年下の女性と再婚するなど、多様な人生を歩んできたキートン山田。多くの作品に名を刻み、日本のアニメやテレビ番組に多大な影響を与えた人物として記憶されることだろう。

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