キ101 (航空機)

キ101: 大日本帝国陸軍の夜間戦闘機計画

キ101は、大日本帝国陸軍が策定した夜間戦闘機の計画であり、その開発は中島飛行機によって行われました。しかし、実際の機体は製造されることがなかったため、航空史上の存在にとどまりました。

開発の背景

1943年、昭和18年の夏において、陸軍は高度10,000メートルで700キロメートル毎時の速度を出す双発の夜間戦闘機を求めていました。この要求を受け、中島飛行機は研究を開始します。この時、陸軍は海軍が開発していた夜間戦闘機「電光」に近い仕様で機体を計画しました。

設計と仕様

キ101の重要な特徴は、搭載予定のエンジンにあります。使用されるエンジンは「ハ219」または「ハ245」という中島製の空冷星型18気筒エンジンであり、離昇出力は2,000馬力を見込んでいました。設計の際には、試作機を3機製作し、その後増加試作機を18機製造する計画がありました。初号機の完成は1945年の3月に予定されていましたが、実際には設計段階で終わり、製作には至りませんでした。

諸元

キ101の仕様については、計画値の詳細が明らかにされています。これには、以下のようなデータが含まれます。

• - エンジン: 中島 ハ219 空冷星型18気筒（離昇出力2,450馬力） × 2基
• - 最大速度: 700 km/h以上（目標値）
• - 常用高度: 10,000 m（目標値）
• - 武装: 30〜40mmの機関砲 1〜2門、20mm機関砲 4門（うち2門は連装式旋回砲）

これらの情報は、『日本航空学術史（1910－1945）』やその他の文献から得られたもので、計画当時の航空技術の向上を図るための重要な資料となっています。

参考文献

本計画に関する詳細は、以下の文献を参照することで確認できます。

• - 佐原晃著『日本陸軍の試作・計画機 1943〜1945』、イカロス出版、2006年。
• - 秋本実著『日本陸軍試作機大鑑』、酣燈社、2008年。
• - 粟野誠一ほか編『日本航空学術史（1910－1945）』、日本航空学術史編集委員会、1990年。

結論

キ101は、その高度な技術要求と設計内容から注目される存在でしたが、時代の変遷とともに実機製作までには至らず、未完の計画として歴史に名を刻むこととなりました。

もう一度検索