キ62 (航空機)

キ62 - 大日本帝国陸軍の計画された戦闘機

概要

キ62は、1940年に大日本帝国陸軍が計画した軽単座戦闘機です。主に対戦闘機戦闘に特化したこの機体は、中島飛行機を製造元として発注されました。設計の主な目標には、優れた水平速度や格闘戦能力があり、実用的な運用高度は4,000メートルから7,000メートルを想定し、行動半径は最大で500キロメートルに加え、1時間の飛行を目指していました。使用予定のエンジンは空冷型であり、武装には2基の機関銃の他、機関砲も装備される可能性がありました。

1940年6月には、1941年2月に試作機を完成させ、1942年3月に審査を終了する計画がありました。しかし、この計画は地政学的な変化や他のプロジェクトとの兼ね合いから変更され、1941年4月には試作機の完成が1942年春、審査が1943年半ばに延びるとの意見が出されました。さらに、エンジンを「ハ45」に変え、四式戦闘機に近い性格の新たな仕様へ改める提案もありました。

計画の経緯

キ62は、当時、キ43の性能向上型として位置づけられていましたが、製造元の中島飛行機は既存の機体の改修業務に忙殺されており、キ62の新規設計には十分なリソースがありませんでした。そのため、世界情勢や技術的な課題により計画は見直されました。そして、1941年10月には他機の開発作業に集中するため、キ62の計画停止が提案されました。最終的に、キ62はそのまま計画として終息し、キ43の性能向上を具体化した一式戦二型がキ62に該当する機体と見なされることになりました。

異説と想像図

キ62に関しては異説も存在します。異なるエンジン装備説がいくつかあり、「ハ104」または「ハ214」の空冷エンジンを搭載する重戦闘機としての計画もありました。また、「ハ140」エンジンを装備する重戦闘機としての想像図も提示されています。この想像図を元に、ウクライナの企業ユニクラフトが「キ62」という名のレジンキットを販売した際には、キ61（三式戦闘機）と並行して計画が開始された事実を強調していました。

諸元

この計画のもと、以下のような諸元が予定されていました（ハ104 / ハ214装備説に基づく計画値）:

• - 全長: 8.75 m
• - 全幅: 12.00 m
• - 全高: 3.80 m
• - エンジン: 三菱 ハ104またはハ214 空冷複列星型18気筒 × 1
• - 乗員: 1名

参考文献

• - 秋本実著『日本陸軍試作機大鑑』酣燈社、2008年
• - 歴史群像編集部編『決定版 日本の陸軍機』学研パブリッシング、2011年
• - 秋本実著『日本の戦闘機 陸軍篇』出版協同社、1961年

キ62は、最終的には製造されることなく消えていきましたが、その計画は日本の航空機デザインの発展の中で重要な位置を占めています。

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