キ66 (航空機)

概要

キ66は、1941年9月に日本陸軍から急降下爆撃機の開発要請を受け、川崎航空機により設計が始まりました。初号機が完成したのは1942年11月で、キ66は九九式双発軽爆撃機に似た外見を持っていますが、全体的には一回り小型の機体です。特筆すべきは、主翼の下面に装着されたスノコ状のダイブブレーキで、これは1939年にドイツから購入したユンカース Ju 87を参考にしたと思われます。爆弾は300から500kgを搭載可能で、腹部の爆弾倉に収納され、さらに対地攻撃と防御用に5丁の機銃が装備されています。

開発と性能

1943年2月から始まった飛行審査において、キ66の飛行性能は概ね良好でした。しかし、最大速度が九九式一型双発軽爆撃機よりも約40km/h程度しか向上しなかったため、陸軍はさらなる速度性能の向上を求めました。しかし、川崎航空機側ではこの要求に応えるだけのリソースがなく、同時に九九式双発軽爆撃機にダイブブレーキを追加した型（二型乙）が急降下爆撃に使用可能と判明したため、急降下爆撃機は九九式双発軽爆撃機で十分だという見解も広がりました。この結果、1943年10月にキ66は不採用となりました。

製造台数と流用

キ66の製造数は試作機が3機、増加試作機が3機の合計6機にとどまりました。興味深いことに、その設計の一部はキ96に流用されることとなりました。

スペック

• - 全長： 11.20m
• - 全幅： 15.50m
• - 全高： 3.70m
• - 重量： 4,100kg
• - 全備重量： 5,750kg
• - 発動機： ハ115×2
• - 出力： 1,150hp
• - 最大時速： 535km/時
• - 航続力： 2,000km
• - 上昇力： 5000mまで7分30秒
• - 最高上昇： 10,000m

武装

• - 12.7mm機関銃： 2挺（機首固定）
• - 7.92mm機関銃： 2挺（後部旋回）
• - 爆弾搭載量： 300～500kg

関連項目

• - 大日本帝国陸軍兵器一覧
• - 日本製航空機の一覧
• - 爆撃機一覧

このように、キ66は日本陸軍の急降下爆撃機としての可能性を持っていましたが、開発の結果として採用には至らず、その記憶は航空機開発の歴史の中に残っています。

もう一度検索