キ71 (航空機)

キ71: 日本陸軍の試作地上攻撃機

キ71は、日本陸軍によって試作された地上攻撃機兼偵察機です。設計は陸軍航空技術研究所が手掛け、九九式襲撃機（キ51）の性能向上を目指した機体でした。しかし、昭和18年の後半に陸軍が軍偵察機を廃止し、軍偵戦隊を戦闘機戦隊に改編することを決定したため、キ71の開発は中止されました。

背景と設計

昭和15年5月に制式兵器として制定されたキ51（九九式襲撃機）は、その優れた機動性と稼働率に支えられ、高い評価を受けていました。この成功を受け、陸軍はキ51の発動機をハ112に換装し、脚を引き込み式にしたキ71の設計を昭和16年1月23日に指示しました。設計は、満州飛行機の特別班が担当し、設計内容は陸軍航空工廠で試作機3機の製作に進められました。

キ71の特徴の一つは、主脚を油圧式の引き込み式とした点です。この変更は、主翼の形状にも影響を与えました。また、尾輪も引き込み式にすることで、機体の aerodynamics を改善しました。さらに相応しい出力を求めて、エンジンも九九式襲撃機のハ26からもっと強力なハ112に換装され、この結果、機体の重心位置が変化しましたが、エンジン支持架の長さを調整することで解決しました。

試作機には、12.7mmの機関銃が主翼内に装備される予定でしたが、製作した試作機にはまだ装備されていませんでした。

性能試験と不採用

昭和16年中に試作機が完成し、各種テストが実施されました。試験結果によると、エンジンの換装および引き込み脚の導入によって速度性能は向上しましたが、機体の重量が増加したため、期待されたほどの性能向上は見られませんでした。これに加え、軍の戦略変更によって偵察機が廃止されたことも影響し、結局キ71は不採用となりました。試作された機体の数は3機にとどまりました。

技術スペック

• - 全長: 9.21 m
• - 全幅: 12.10 m
• - 全高: 3.73 m
• - 主翼面積: 24.8 m²
• - 重量: 2,225 kg
• - 全備重量: 3,169 kg
• - 発動機: ハ112 × 1
• - 出力: 1,300 hp
• - 最大時速: 470 km/h
• - 航続力: 不明

武装

• - 12.7mm 機関銃 × 2
• - 7.7mm 機関銃 × 1
• - 爆弾: 最大200 kg（250 kg×2までの搭載が可能）

参考文献

• - 『歴史群像シリーズ 日本陸軍軍用機パーフェクトガイド 1910～1945』（学習研究社、2005年）
• - 『図解・軍用機シリーズ6 屠龍/九九軍偵・襲撃機』（光人社、1999年）

関連項目

• - 大日本帝国陸軍兵器一覧
• - 日本製航空機の一覧
• - 爆撃機一覧

以上が、日本陸軍が試作したキ71に関する概要です。

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