ギブソン・エクスプローラー

エクスプローラー (Gibson Explorer)

エクスプローラーは、1958年にギブソンによって発表されたエレクトリックギターで、当初は「フューチュラ」という名称で知られていました。このギターは、同時期に登場したフライングVと同様に、革新的で将来的なデザインを特徴としています。しかし、発売当初は広く受け入れられず、1959年には生産が中止されてしまいました。

しかし、1975年になると、他社がエクスプローラーに似たデザインで成功を収めているのを受けて、ギブソンは再びエクスプローラーの生産を開始しました。希少なオリジナルモデルは約100本しか製造されておらず、そのためコレクターの間で非常に高価なアイテムとなっています。例えば、U2のギタリストであるジ・エッジが愛用していた1976年製エクスプローラーは、2008年に行われたオークションで15万ドルで落札されました。

エクスプローラーのバリエーション

エクスプローラーには、「スタジオ・エクスプローラー」や、スコーピオンズのマティアス・ヤプスがデザインした、通常のエクスプローラーの90%サイズの「エクスプローラー90」など、さまざまなバリエーションが存在します。1979年には、ウォルナットとメイプルの5ピース構造を持つ「エクスプローラーII」が発表されましたが、1983年に生産中止となりました。

またエクスプローラーは、フライングVやSG、レスポールと同様にフラットブラック仕上げのゴシックラインモデルも展開されました。さらに、エピフォンブランドでもコリーナ材製や独自のゴシックモデルが製造されています。2008年には、ボディのシェイプを逆にしたリヴァース・エクスプローラーが、限定1000本で発売されました。

初期プロトタイプには、正式に販売された「バナナヘッド」ではなく、非対称のVシェイプヘッドが特徴的なものもありました。このプロトタイプは、著名なギタリストであるリック・デリンジャーが所有していましたが、その後スコット・チナリーに渡りました。

コピーモデル

エクスプローラーは多くのコピーモデルも生まれており、1974年にはヘイマー社が「ヘイマー・スタンダード」というモデルを製作し、プログレッシブ・ロックのアーティストたちに重宝されました。イーエスピー社も、メタリカのジェイムズ・ヘットフィールドやブルース・キューリックのためにエクスプローラーシェイプを制作し、現在はよりシャープなデザインのEXシリーズがラインアップに加わっています。

また、ジャクソンはエクスプローラーのデザインを元にケリーを作成し、メガデスのマーティ・フリードマンがその著名なユーザーとして知られています。さらに、アレンビックはザ・フーのジョン・エントウィスルのためにエクスプローラー型の特注ベースを製作し、彼の死後にはこれらのカスタムベースが限定生産されました。

多くの他のメーカーもエクスプローラータイプのギターを制作しており、ディーンやアイバニーズ、ヤマハ、クレイマー、ピーヴィーなどが代表的です。2007年には、ゲーム『ギターヒーロー2』がエクスプローラーを模したギターコントローラ同梱版として発売され、さらにその後も他のプラットフォーム向けに同様のデザインが取り入れられています。

まとめ

エクスプローラーは、その斬新なデザインと独特なトーンで、多くのミュージシャンに愛され続けています。その希少価値やさまざまなバリエーション、多くのコピーモデルの存在は、エクスプローラーの魅力を一層高めています。

もう一度検索