ギャルバサラ -戦国時代は圏外です-

『ギャルバサラ -戦国時代は圏外です-』（2011年公開）は、現代の女子高生が戦国時代にタイムスリップしてしまうという奇想天外な物語です。メ〜テレの開局50周年を記念して制作され、監督は『マジすか学園』などで知られる佐藤太が務めました。AKB48およびSKE48のメンバーが多数出演している点も話題を呼びました。

あらすじ

物語は、主人公の麻美が旧岐阜城跡の展望台から景色を眺めながら、「未来とは単に時間が流れたということではない」と語るシーンから始まります。場面は遡り、麻美とその親友である奈緒、優の3人がプールサイドで過ごす場面へ。普段は真面目な麻美が、友人たちに誘われて午後の授業をサボることにします。

その後、麻美、優、ヒロ子、公平の4人は、歴史の補習として地元の博物館を訪れます。同じ頃、科学者の父と共に空間の歪みを調査するために博物館に来ていた卓也。突然、タイムホールが出現し、5人は戦国時代へとタイムスリップしてしまいます。

戦国時代の合戦場に放り出された彼らは、最初は状況を理解できず、戦っている兵士たちを博物館のアトラクションだと勘違いして動画撮影を始めます。しかし、夜になり携帯電話が圏外であることに気づき、事の重大さに気づき始めます。卓也が持っていた手動発電機付き懐中電灯で遊んでいたところ、与平、吾作、利吉の3人組に捕まってしまいます。

未来から来たことに自暴自棄になる5人に対し、利吉たちは「安全な場所に連れて行く」と食事を与えます。利吉たちは、豊臣秀吉（木下藤吉郎）と同じ村の出身で、彼のように侍として立身出世することを夢見ていました。道中、利吉たちは麻美たちのメイクに驚いたり、卓也と荷物を交換したり、公平から投球フォームを教わったりと交流を深めます。

しかし、野武士に襲われたと思われる遺体を発見した利吉たちは、武器を調達し、今後のことを話し合います。彼らが麻美たちを助けたのは、彼女たちを利用してどこかの軍に召し抱えてもらおうという魂胆があったからでした。利吉は金華山へ向かうことを提案し、その理由として未来の学生について書かれた御触書を取り出します。

一方、麻美たちは殺された遺体を見て、自分たちの知る未来とは異なる戦国時代の現実に衝撃を受けます。そんな麻美たちを見かねた与平が、生きるためには何でもするという覚悟を語ると、ヒロ子が「死んだらおいしいものが食べられない」と言い、食事を始めます。それをきっかけに、皆も食事を口にするようになります。

そんな中、麻美の足元に矢が刺さり、野武士に襲われます。利吉と吾作が不在だったため、与平が一人で麻美たちを守りますが、背後から斬られて命を落とします。利吉たちが戻り野武士を撃退しますが、逃げる途中で麻美たちはヒロ子と公平とは離れ離れになってしまいます。

金華山にたどり着いた麻美たちは、岐阜城で織田信長と対面します。信長は、家臣の木下藤吉郎から未来人を連れてきたと報告を受けますが、驚くことなく未完の安土城の設計図を見せ、未来に残っているか尋ねます。その時、圏外だったはずの麻美の携帯電話が突然鳴り出します。電話の相手は、博物館で久しぶりに会った中学の同級生、麻由でした。

麻美が織田信長に会っていると話しても信じてもらえず、麻由に頼まれ優が信長にギャルピースを教え写真撮影をします。現代にいる麻由が持っている歴史の教科書に描かれている信長の肖像画がギャルピースをしている姿に変わってしまいます。

その後、麻美たちは藤吉郎の妻である寧々と出会います。寧々は実は未来人で、中学時代に戦国時代にタイムスリップしてきた過去を持っていました。寧々は中学時代に覚えていた歴史の知識をもとに、藤吉郎を通して桶狭間の戦いで信長にアドバイスをし、藤吉郎を出世させていました。寧々は自分以外の未来人を探しており、麻美たちにこれから戦国時代で生き抜くように話します。

卓也は寧々から飛ばされたのが1572年だと教えられ、タブレット端末に何やら入力を始めます。その後、徳川家康が現れ、武田信玄の進撃について寧々に助言を求めますが、寧々には知識がありません。そこで卓也が夕方になると携帯電話が使えるかもしれないと言い出し、現代と通話ができるようになります。麻由との電話で、麻美は奈緒が自分の帰りを待っていることを知ります。

戦国時代で生きるために強くなろうとする優と、現代に帰ろうとする麻美との間で対立が起きます。麻美が歴史の補習を受けていたのは、奈緒が入院している事実を知ったためでした。病院で麻美は、奈緒から3人お揃いのストラップを託されますが、拒否してしまいます。優はそんな麻美を、奈緒から逃げていると考え嫌っていました。

利吉に諭された麻美は、奈緒への思いに応えるべく行動を開始します。卓也にタイムホールの出現時期を聞き出し、明日地上に現れることを突き止めます。同じ頃、ヒロ子と公平は河津信行という男に捕まっていました。河津もまた未来人で、教科書の歴史通りに事が進むのを願っていました。

一方、麻美と喧嘩した優は、寧々に諭され戦国時代で生き抜く覚悟を決め、和服に着替え、携帯電話の電源を切ります。麻美から電話がかかってきますが、優は電話に出ません。翌朝、麻美と卓也は利吉と共に河津の根城へ向かいます。河津の根城で河津たちに取り囲まれた麻美は、意を決して刀を抜きます。

その時、林の中から砲撃が始まり、優が織田の鉄砲隊を引き連れて現れます。優は麻美が書いた皆で未来に帰ることを書いた巻物を読んでいたのでした。河津を倒し、タイムホールの出現場所へ急ぐ麻美たち。同じ頃、現代でも卓也の父がタイムホールの出現場所を特定し、麻由らと共に出現場所へ現れます。

タイムホールが出現しますが、閉じ始めています。卓也、公平、ヒロ子の3人が飛び込みます。優に礼を言うと、吾作は優に思いを告げ、優は吾作にキスをします。麻美も利吉に礼を言い、奈緒から託されたストラップを立身出世のお守りとして利吉に託します。タイムホールへ行こうとする麻美たちの前に河津が現れます。河津を倒し、麻美はタイムホールへと飛び込み、無事現代へと帰還します。

現代へ戻った麻美は、歴史博物館で研究発表をしていた麻由のもとを訪れます。過去へ行ったことは信じてもらえませんでしたが、麻由は徳川家の重臣、中村久三郎の刀を見せます。その刀には麻美が利吉に渡したストラップがつけられており、携帯ストラップの由来になったと説明書きがありました。

キャスト

有村架純 - 麻美
荒井萌 - ヒロ子
竹富聖花 - 優
賀来賢人 - 公平
森廉 - 卓也
小木曽汐莉（SKE48） - 麻由
木﨑ゆりあ（SKE48） - 奈緒
鈴木勝吾 - 利吉
相馬圭祐 - 吾作
浜尾京介 - 与平
松方弘樹 - 織田信長
篠田麻里子（AKB48） - 寧々
有薗芳記 - 河津信行

スタッフ

監督 - 佐藤太
脚本 - 金子二郎、竹内清人
音楽 - MOKU

派生作品

ギャルバサラ外伝（スピンオフドラマ）
ノベライズ
コミカライズ

関連項目

愛知県を舞台にした作品

『ギャルバサラ -戦国時代は圏外です-』は、タイムスリップという奇抜な設定の中で、友情や恋愛、そして未来への希望を描いた青春エンターテインメント作品です。

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