ギョーム・タラヴァル

ギョーム・タラヴァル（Guillaume Thomas Rafael Taraval、1701年12月21日 - 1750年4月）は、フランス出身でありながらスウェーデンでその才能を開花させた装飾画家です。

生涯

パリで生を受けたタラヴァルは、幼くして両親を亡くし、マリ＝アンヌ・フランソワ・ギルマールに育てられました。後にギルマールの娘と結婚しています。絵画の手ほどきはギルマールから受け、その後、ロココ様式の装飾画家として知られるクロード・オードラン3世に師事しました。パリでの修行中には、スウェーデン人建築家のカール・ホーレマンと出会います。ホーレマンは、小ニコデムス・テッシンからストックホルム宮殿再建の仕事を引き継いだ人物でした。タラヴァルの才能を認めたホーレマンは、彼を推薦し、タラヴァルは他の8人の美術家と共にストックホルムへ赴き、ホーレマンの下で働くことになります。1732年7月にスウェーデンに到着すると、すぐに現地のフランス人装飾画家たちのリーダーとなり、ストックホルム宮殿の重要な装飾画を手がけました。

スウェーデンでの活動に留まらず、タラヴァルは母国フランスにも派遣され、新しい芸術を研究し、その成果をスウェーデンに伝えるという役割も担いました。彼のスウェーデン時代の弟子には、ヨハン・パッシュがいます。

また、タラヴァルはスウェーデンの美術教育の発展にも大きく貢献しました。1732年に開いた美術の私塾は、1735年に公的な機関として認められ、後にスウェーデン王立美術院へと発展しました。週に4回、宮殿のホールで行われた夜学からは、1730年代に宮殿で働く多くの有能な美術家が輩出されました。

タラヴァルの息子であるジャン＝ユーグ・タラヴァルはフランスで画家となり、ローマ賞を受賞しています。もう一人の息子、ルイ・ギュスターヴ・タラヴァルは建築家を目指しました。

主な作品

タラヴァルの作品は、ストックホルム宮殿をはじめとするスウェーデンの主要な建造物で見ることができます。

ストックホルム宮殿の装飾画
その他の建造物の装飾

参考文献

Svenskt konstnärslexikon del V, sid 395-396, Allhems Förlag, Malmö. Libris post 8390293
Taraval, Guillaume Thomas i Herman Hofberg, Svenskt biografiskt handlexikon (andra upplagan, 1906)
Carl G. Laurin, Konsthistoria, Stockholm 1919
Lexikonett amanda om Guillaume Thomas Taraval.
* Lexikonett amanda om Louis Gustave Taraval.

ギョーム・タラヴァルは、フランスとスウェーデンという二つの文化を繋ぎ、美術の世界に大きな足跡を残した人物として、今もなお記憶されています。

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