ギリシャ内戦

ギリシャ内戦（1946-1949年）

ギリシャ内戦とは、1946年から1949年の間にギリシャで発生した内戦を指します。当時、国家は中道右派の政府と右派民兵によって支配され、イギリスとアメリカの支援を受けていました。一方、ナチス・ドイツの占領下で組織されたギリシャ人民解放軍（ELAS）は、ギリシャ共産党（KKE）の指導下にあり、長引く戦闘の渦中にありました。

概要

内戦は主に三つの段階に分けられます。第一段階（1942-1944年）は右派レジスタンスに対する左派の抵抗活動から始まりました。第二段階（1944年）では右派の政権が成立し、エジプトのカイロから帰還した亡命政府による政権奪取が行われました。そして第三段階（1946-1949年）、ギリシャ共産党と政府との対立が激化し、内戦へと突入しました。

この内戦により、ギリシャの経済は深く疲弊し、国民の間にはその後の1970年代まで続く政治的対立が生じました。今日でもその影響はギリシャの政治に色濃く残っています。

前史

内戦の背景には、1941年から1944年のギリシャ占領期がありました。この時期、ドイツ、イタリア、ブルガリアの侵攻を受けたギリシャは困難な状況に陥ります。国王と政府はエジプトに逃げ、亡命政府を形成しましたが、占領下の国民にとってはその存在は遠いものでした。

占領中、左派の民族解放戦線（EAM）とその軍事組織、ギリシャ人民解放軍（ELAS）が国家を救うために活動を展開しました。彼らは、党派を超えた支持を得て、国家解放を目指しました。しかし、同時に右派の抵抗組織も存在し、これによりギリシャ国内は複雑な権力構造が形成されました。

対立の始まり（1944年）

1944年9月、ドイツ軍の撤退が明らかになる中、パパンドレウを首相とする亡命政府が帰国します。しかし、政権内のレジスタンス組織間での武装放棄や統一政府の設置を巡る対立が芽生えました。

ついに12月、アテネ中央で起こったデモで警察が発砲し、戦闘が始まります。これ以降、内戦の火蓋が切られ、ギリシャ人民解放軍は急増し、アテネを含む地域での支配を強化しました。

内戦の推移（1946-1949年）

1946年から1949年にかけて、戦闘は本格化しました。ギリシャ人民解放軍は度重なる攻撃を行い、初めはすっかりと国の北部を支配しました。しかし、ギリシャ国軍はその数を増し、米国を基にした支援を受けて retaliateし、戦闘は徐々に激化していきます。

特に1947年から1948年にかけて、ギリシャ民主軍は北部やテッサリアで多くの攻撃を行い、その影響力を広げましたが、新たな政府の成立やソ連の支援が切れた結果、ギリシャ民主軍の状況は厳しくなります。1949年には、ギリシャ国軍が攻勢を開始し、ギリシャ民主軍が各地で敗北し、最終的には戦闘を停止しました。

戦争の終結とその影響

ギリシャ内戦の終結には大きな代償が伴いました。約50,000人の兵士が命を落とし、家を失った住民は500,000人に達しました。決して忘れてはならないのは、この内戦がギリシャ社会に与えた深い影響や、長年にわたる政治的亀裂を生み出したことです。

1974年の軍事政権崩壊をもって、一連の内戦がもたらした混乱に日本・アメリカ・アジアの舞台にまで影響が広がりました。ギリシャ内戦は、冷戦下での自由主義と共産主義の対立の中でも一つの象徴的な出来事でした。

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