ギリシャ国営放送

ギリシャ国営放送（ERT）の歴史と概要

ギリシャ国営放送（希: Ελληνική Ραδιοφωνία Τηλεόραση、英: Hellenic Radio and Television、略称: ERT）は、ギリシャにおける主要なメディア機関であり、欧州放送連合の法人会員です。国営放送として、主にライセンス料によって資金を調達し、これにより運営の約88%を賄っています。ERTの歴史は、1938年に遡ることができ、当初はEIR（ギリシャラジオ財団）として開局しました。

歴史の流れ

第二次世界大戦中、ギリシャはナチス・ドイツに占領されたため、放送は一時中断を余儀なくされましたが、戦後は国際放送および国内向けの三つのラジオ局を運営し続けました。1965年にはテレビ broadcasting の試験が開始され、翌1966年から正式にテレビ放送を始めました。1970年には名称をEIRT（ギリシャラジオ・テレビ財団）に変更し、二つのテレビチャンネルを持つに至ります。

その後、1974年にはギリシャ軍事政権が崩壊し、ERTは完全な国営メディアとして再編成されました。1982年には様々なコンテンツを提供するためにERT2、1987年にはERT3が設立されました。2006年にはヨーロッパ最大の音楽祭であるユーロビジョン・ソング・コンテストを手掛け、その存在感を発揮しました。

休止と再開

しかし、2013年6月11日、ギリシャ政府は財政的な理由による緊縮策の一環としてERTの閉鎖を決定しました。この決定により、約2600人の職員が解雇される事態に。執行された閉鎖は、翌6月12日の早朝に複数のチャンネルで放送終了を告げる形で実施されました。政府は新たな公共放送組織「新ギリシャ・ラジオ・インターネット・テレビジョン」（NERIT）を創設し、2014年3月からの放送再開を果たしましたが、国民の大きな反発も受けました。

政権交代後の2015年4月、ツィプラス政権はERT復活法を採択し、NERITを閉鎖しました。これにより、同年6月には元のERTとしての放送体制が復活し、希少な国営メディアとしての役割を再び担うことになりました。

チャンネルとコンテンツ

ERTは、テレビ放送だけでなく、ラジオ放送のチャンネルも多様に展開しています。テレビの主なチャンネルは以下のとおりです。

• - ERT 1（エルト・エナ）
• - ERT 2（エルト・ディオ）
• - ERT 3（エルト・ツリア）
• - ERT World（エルト・ワールド）
• - ERT News（エルト・ヌス）

ラジオのチャンネルも充実しており、以下のオプションがあります。

• - ERA 〜 ギリシャの伝統を受け継ぐ
• - ERA2 〜 多彩な音楽コンテンツを提供
• - ERA3 〜 地元のニュースと情報
• - ERA Spor 〜 スポーツ情報
• - ギリシャの声（国際放送）
• - ERA NET 〜 ネットを通じた情報発信
• - FILIA 〜 各国の文化交流

結論

今回は、ギリシャ国営放送であるERTの歴史や構成について見てきました。国民の生活や文化に深く根付いたメディアとして、各種チャンネルを通じて正確な情報の発信を使命とし、これからもその役割を果たし続けるでしょう。

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