ギリシャ物語

『ギリシャ物語』（原題：It's Greek to Me-ow!）は、1961年12月7日に公開された、ジーン・ダイッチ監督による『トムとジェリー』シリーズの短編アニメーション作品です。この作品では、いつものようにトムとジェリーが、ギリシャを舞台に激しい追いかけっこを繰り広げます。

舞台となるのは、古代ギリシャを思わせる美しいアクロポリスです。しかし、トムとジェリーの住環境には大きな違いがあります。トムは貧しい生活を送っており、裕福な家に住むジェリーを捕まえようとします。いつものように、トムの計画はジェリーの機転によってことごとく失敗に終わります。

トムはジェリーを捕まえるため、アクロポリスに乗り込みます。しかし、アクロポリスには「猫お断り」という看板が掲げられており、トムは侵入を許されません。それでも諦めないトムは、アクロポリス内部に侵入しようと、様々な策略を仕掛けます。銅像の頭部をかぶったり、ゴミ箱に隠れたりと、トムの必死な姿は見ている者を笑わせます。

しかし、ジェリーはそんなトムの企みを容易く看破し、巧妙な罠を仕掛けてトムを翻弄します。ジェリーはトムをアクロポリスから追い出すため、馬車を巧みに利用します。3頭の馬が引く馬車の座席にトムが飛び乗ると、ジェリーは座席を切り離し、トムはアクロポリスの外階段から転落するという、痛快な展開が待っています。

アクロポリスには、トムとジェリー以外にも様々なキャラクターが登場します。観光客はアクロポリスを観光しており、トムが銅像に化けて近づいてくる様子を目の当たりにします。また、アクロポリスの警備を担当する衛兵は、トムの侵入を阻止しようとしますが、トムの変装を見破ることはできません。

この作品では、ジーン・ダイッチ期の特徴である、レオ・ザ・ライオンのロゴと音楽が初めて使用されています。これは、この作品がジーン・ダイッチが監督した最初の作品であることを示しています。

『ギリシャ物語』は、美しいギリシャの風景と、トムとジェリーのコミカルなやり取りが絶妙に融合した作品です。トムの執拗なジェリーへの追跡、そしてジェリーの巧妙な罠といたずら、そしてアクロポリスという壮大な舞台設定は、何度見ても飽きさせない魅力を持っています。この作品は、子供から大人まで、幅広い層に楽しんでもらえる、まさに傑作と言えるでしょう。トムとジェリーの魅力が凝縮された、忘れられない短編アニメーション作品です。

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