ギルフォード郡庁舎の戦い

ギルフォード郡庁舎の戦い

ギルフォード郡庁舎の戦い（1781年3月15日）は、アメリカ独立戦争の中でも特に重要な戦闘の一つです。この戦闘では、ナサニエル・グリーン将軍が指揮する大陸軍と、チャールズ・コーンウォリス将軍が率いるイギリス軍が衝突しました。戦闘は現在のノースカロライナ州グリーンズボロ近くで展開され、双方の兵力はそれほど多くなく、ある意味で小規模でしたが、その結果は戦争全体に大きな影響を与えました。

戦闘の背景

この戦闘の背景には、カウペンスの戦い（1781年1月）でのイギリス軍の成功があります。コーンウォリスは、この勢いを利用してグリーンの軍隊を徹底的に打ち破ることを目指しました。しかし、カウペンスでの戦いによって彼の軽歩兵隊は大きな損失を被り、補給も滞っていました。このため、彼は十分な兵力を持たないまま、グリーンの追撃を行いました。

3月14日に、コーンウォリスは大陸軍が近づいているとの報告を受け、戦闘の準備を始めます。一方、グリーンは援軍の到着を受けて、彼の兵力を増強し、イギリス軍との対決を決意しました。両軍はギルフォード郡庁舎の近くで接触し、激しい戦闘が幕を開けました。

戦闘の進行

戦闘は、両軍の前衛部隊が最初に衝突したことで始まりました。ギルフォード郡庁舎からは4マイル離れた地点で、バナスター・タールトン中佐が指揮するイギリス軍の竜騎兵が、ライトホース・ハリー・リー中佐の部隊と交戦します。この初期の戦闘は、イギリス軍が周囲の農地を占拠することを許す結果となりました。

コーンウォリスは大陸軍がギルフォード郡庁舎に向かって配置していることを掴み、彼自身の軍が一斉に攻撃を開始しました。バージニア民兵やノースカロライナ民兵から成る大陸軍は、三列に配置され、各部隊が交互に攻撃に出ました。この戦術はカウペンスで成功を収めたものでしたが、戦闘は予想以上に激化しました。

グリーン軍の第1列は最初は頑強に抵抗しましたが、イギリス軍の猛攻によってその後退を余儀なくされます。激しい砲撃と白兵戦が展開されていく中、イギリス軍は数々の損失を被りましたが、最終的には戦術的には勝利を収めました。コーンウォリスの軍は戦闘に勝ちましたが、多くの犠牲を払うこととなります。

戦闘の結果とその後の影響

戦闘は90分にわたって行われ、イギリス軍は約25%の兵力を失い、5名の士官と88名の兵士が戦死し、その他にも多くの負傷者を出しました。一方、大陸軍も損失がありましたが、グリーンは撤退することに成功しました。この撤退により、彼は南部地域の統治権において重要な立場を維持しました。

戦後、コーンウォリスはバージニアへの進軍を決定しますが、その選択は批判を招きます。イギリス軍の状況は厳しく、補給問題や兵力の問題も抱えていました。結局、ギルフォード郡庁舎の戦いは、独立戦争の行方を左右する重要なターニングポイントとなりました。

戦場跡と文化的評価

現在、ギルフォード郡庁舎の戦闘跡は国立軍事公園として保存されています。ここでは、毎年3月15日周辺に独立戦争の戦闘が再現され、多くの観光客が訪れています。また、この戦いを描いた映画「パトリオット」は、独立戦争のドラマを世に知らしめ、多くの人々の関心を集めています。

ギルフォード郡庁舎の戦いは、アメリカ独立戦争との関連性を強く感じさせ、今もなお多くの人々に記憶され、研究の対象となっています。

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