ギンザケ

ギンザケ（銀鮭）とは

ギンザケ（銀鮭、学名: Oncorhynchus kisutch）は、サケ目サケ科に属する魚の一種で、コーホーサーモンやシルバーサーモンとも呼ばれます。天然ではロシア沿海地方から千島列島、アメリカ合衆国カリフォルニア州にかけての北太平洋に生息しています。

ギンザケの生態

ギンザケは、シロザケに似た外見を持ちますが、より銀色の強い体色と、背部から尾にかけて散らばる小さな黒点が特徴です。河川を遡上し、上流域の浅瀬で産卵を行います。産卵期は10月から2月頃で、湧水のある砂利層に産卵床を形成します。稚魚は1-2年間淡水で過ごした後、海へと下りますが、すぐに降海する個体もいます。河口付近では群れを作らず、縄張りを持って生活し、水生昆虫などを捕食します。

スモルト化したギンザケは、体長10-15cmほどで降海し、3-4年で成熟して母川に戻ります。最大で1mに達することもあります。ごく稀に、迷い鮭として北海道の河川で捕獲されることもあります。海洋では、イカなどを主食とする雑食性で、シロザケやベニザケよりもやや南の海域に分布し、適水温は9℃程度です。水温が16℃以上の海域ではほとんど捕獲されません。

ギンザケの水産と養殖

ギンザケは、五大湖や宮城県、チリなどで養殖されています。特に宮城県では1976年から海面養殖が開始され、成長の早さから注目を集めました。最盛期には27,000トンもの生産量を誇りましたが、チリ産の安価なギンザケに押され、生産量は減少しました。しかし、東日本大震災からの復興支援もあり、近年では生産量が回復傾向にあります。大手商社もチリの養殖会社を買収するなど、ギンザケの養殖事業は国際的に展開されています。

ギンザケの飼育方法

ギンザケは、スモルト化するまで淡水で育て、海水に慣れさせた後、海面養殖を行います。淡水でも成熟・産卵が可能で、餌にはスケトウダラのすり身を主原料とした配合飼料が用いられます。水温管理が重要で、海水温が18℃を超えると死亡率が上がり、21℃を超えるとほぼ全滅してしまいます。

ギンザケの利用

ギンザケは、シロザケやベニザケの代用品として、昭和の中頃から食用として利用されています。養殖の普及により比較的安価でありながら、脂が乗っていて美味であるため、切り身、塩鮭、おにぎりなど、様々な食品に用いられています。

関連項目

* 冷水病

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