クアドルプル・ダブル

クアドルプル・ダブル：バスケットボールにおける驚異的な偉業

バスケットボールにおいて、卓越した能力を示す記録として知られる「クアドルプル・ダブル」。これは、1試合で得点、リバウンド、アシスト、スティール、ブロックショットという5つの主要スタッツのうち、4項目で2桁の数字を記録することを意味します。5項目全てで2桁を達成する「クインティプル・ダブル」に次ぐ、稀有な記録です。

NBAにおけるクアドルプル・ダブル

NBAでは、1973-74シーズンからスティールとブロックショットの記録が公式に開始されました。そのため、それ以前のシーズンにおけるクアドルプル・ダブルの記録は公式には残されていません。しかし、公式記録に残るだけでも、この偉業を達成した選手は4名存在します。彼らの活躍は、まさに伝説と呼ぶにふさわしいものでした。

未記録の偉業：過去の影

スティールとブロックショットの公式記録が開始される以前の時代には、多くの選手がクアドルプル・ダブルを達成していた可能性が高いと言われています。特に、ウィルト・チェンバレンは、元チームメイトの証言によると、1試合で10ブロック以上を記録したことも多く、中には15ブロックという驚異的な記録もあったとされています。さらに、彼は得点、リバウンド、アシストの全てでリーグトップの成績を残した史上唯一の選手です。彼の卓越したオールラウンドな能力を考えれば、クアドルプル・ダブルを達成していた可能性は極めて高いと言えるでしょう。

ビル・ラッセルやオスカー・ロバートソンもまた、クアドルプル・ダブルを達成していた可能性の高い選手として挙げられます。彼らの活躍は、当時の記録システムの制約によって、残念ながら公式記録として残されることはありませんでしたが、その偉業は語り継がれるべきでしょう。

惜しくも届かなかった記録：ラリー・バードのケース

ラリー・バードは、一度だけクアドルプル・ダブル達成まであとスティール1つというところまで迫りました。しかし、その試合ではチームが大量リードしていたため、第4クォーターには出場せず、記録達成にはこだわらないという決断をしました。このエピソードは、記録への執着だけでなく、チーム全体の勝利を優先する彼の高いプロ意識を垣間見せるものです。

クインティプル・ダブルの謎

NBAの歴史において、5項目全てで2桁を記録するクインティプル・ダブルを達成した選手がいるのかどうかは、未だに議論の的となっています。ウィルト・チェンバレンとビル・ラッセルがその候補として挙げられていますが、確実な証拠はありません。この記録は、まさに伝説の域に達する、究極の偉業と言えるでしょう。

クアドルプル・ダブルの達成：その難しさ

クアドルプル・ダブルは、並外れた身体能力と高いゲームセンス、そしてチームメイトとの連携が必要不可欠です。5つのスタッツ全てにおいて高い能力を持つ選手でさえ、達成することは非常に困難です。その稀少性こそが、この記録を特別な存在たらしめていると言えるでしょう。

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