クアンティック・ドリーム

クアンティック・ドリームとは

クアンティック・ドリーム（Quantic Dream）は、1997年にフランス・パリで設立されたゲーム制作会社です。この企業は、映画やゲームにおけるモーションキャプチャ技術においても高い専門性を持っており、多岐にわたるメディアの融合を追求しています。

歴史

クアンティック・ドリームの初作品は、1999年にリリースされたPCとドリームキャスト用の『Omikron: The Nomad Soul』です。この作品では、著名なミュージシャンデヴィッド・ボウイが音楽を担当しており、その特異なアプローチからも注目を浴びました。その後、同社は「Quark」というタイトルのゲームを開発していましたが、残念ながらそのプロジェクトはキャンセルされました。

2002年には、インタラクティブシネマ技術を用いた新たな作品『ファーレンハイト』（北米版では『Indigo Prophecy』）の開発に乗り出します。このゲームはプレイヤーの選択によって物語が進む仕組みを持ち、以降のクアンティック・ドリームの作品においてもこの特徴が引き継がれます。『ファーレンハイト』は発売前から高い評価を受け、結果的に80万本以上の売上を記録しました。

その後、同社は2005年にPS3用ゲーム『HEAVY RAIN -心の軋むとき-』と『Omikron 2』の開発を発表しました。特に『HEAVY RAIN』は、2006年のE3で発表されたデモ映像が観衆を魅了し、2010年には200万本以上のセールスを達成しました。

『HEAVY RAIN』は、BAFTA（英国アカデミー賞）でベストインタラクティブゲームなどの賞を受賞し、同社の名を世界に知らしめました。ゲームデザイナーであるデビッド・ケイジは、「ゲームは対照的な悪と戦うヒーローの物語だけではない。私たちが追求するのは、より多くの感情やストーリーを届けることだ」と語っており、そのビジョンは以降の作品にも色濃く反映されています。

2022年には、設立25周年を迎え、他の開発者に対するパブリッシングの強化を目的として、中国のゲーム制作会社NetEase Gamesの傘下に入ることを発表しました。NetEase Gamesは、2019年からクアンティック・ドリームへの資金提供を行っており、これにより新たなプロジェクトの展開が期待されています。

今後のプロジェクト

最新作『Under The Waves』の映像が、2022年のドイツのゲームイベント『gamescom 2022』で公開されました。この作品も同社のインタラクティブシネマの伝統を受け継ぎつつ、新たな体験を提供するものとして注目を集めています。

クアンティック・ドリームは、その革新的なアプローチにより、ゲームデザインの新しい可能性を切り開き続けています。今後の動向にも注目が集まります。

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