クイズ・ポーカーフェイス

『クイズ・ポーカーフェイス』は、2003年4月から9月にかけてフジテレビで放送されたクイズ番組です。深夜帯の放送ながら、そのユニークなコンセプトと演出で人気を博しました。この番組の最大の特徴は、知識だけでは勝てないという点です。

番組は、2002年にBSフジで単発放送された後、地上波でレギュラー化されました。タイトルロゴの下には「勝負は演技力!バカでも勝てる」というサブタイトルが掲げられており、知識の有無に関わらず、戦略と駆け引きで勝敗が決まるという点が強調されていました。

司会は俳優の生瀬勝久が務め、毎回6名のゲストが出演しました。対戦は、まず6名の中から選ばれた2人が1対1でクイズに挑む形式です。勝者は、まだ選出されていないゲストの中から新たな挑戦者を選び、勝ち抜き戦を行います。レギュラー放送では、1回のゲームを数週に分けて放送していました。番組末期には、負け残り方式が採用され、賞品を獲得できない1名を決定する形式に変更されました。

クイズのルールは独特です。まず、じゃんけんで先攻と後攻を決め、先攻には問題を選ぶ権利と、問題を事前に知る権利が与えられます。一方、後攻には解答者を決定する権利が与えられます。

先攻は、ボードに書かれた25問からキーワードを基に問題を選択します。問題文は後攻の背後に隠されるため、後攻は問題の内容を事前に知ることができません。その後、後攻は2分間の質問タイムで、先攻から問題の内容を聞き出します。先攻は質問に対して黙秘することもできますが、嘘をつくことは禁止されています。

質問タイム終了後、後攻は自分で解答する「マイセルフ」か、相手に答えさせる「ユアセルフ」のどちらかを選択します。「マイセルフ」を選んだ場合は自分で、「ユアセルフ」を選んだ場合は相手が解答します。正解すれば1ポイント獲得し、不正解の場合は相手に1ポイントが入ります。これを交互に繰り返し、先に2ポイントを先取したゲストが勝利となります。勝者にはスポンサーから賞品が贈られました。

番組の演出も独特でした。対戦相手を決める方法は、「筮竹で決める」や「小鳥に訊く」など、明らかに恣意的でした。司会席には黒電話が置かれており、生瀬勝久は「プロデューサーとのホットライン」と説明していましたが、実際には繋がっていませんでした。解答者には慇懃無礼な態度をとる生瀬も、黒電話での通話中は腰の低い態度を取るなど、コミカルな演出が加えられていました。

また、先攻が問題を選択する際、司会が「ラッキー問題」と称する問題に、「ラッキー」と書かれた札が貼られる演出がありました。しかし、ラッキー問題の根拠は一切なく、番組独自の演出でした。

問題形式は基本的に4択ですが、まれに「ズバリお答え下さい」という口頭での直接回答を求める問題も含まれていました。後攻の質問タイム中に、司会の生瀬が独自の用語を発することも番組の特徴でした。「ファビラス!」は「すばらしい!」、「スイナチッタ」は「だいぶ近づきました」、「ファー」は「だいぶ離れました」という意味で使用されました。

エンディングテーマには、ORIGINAL LOVE|Original_Loveの「美貌の罠」が使用されました。この番組は、単なるクイズ番組ではなく、心理戦や演技力も要求される、ユニークなバラエティ番組でした。

関連番組として、同じく生瀬勝久が司会を務めた『ペダンチックな夜』があり、この番組でも「スイナチッタ」などの用語が使用されました。

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