クイズ列車出発進行

クイズ列車出発進行

『クイズ列車出発進行』は、1979年10月7日から1980年3月30日まで、TBS系列及び福島テレビ、テレビ山口で放送された視聴者参加型のクイズ番組です。当初の放送時間は毎週日曜日の12:00から12:55まででした。この番組は、国鉄（現在のJR）や私鉄の列車を舞台に、参加者がクイズに挑戦する形式が特徴となっていました。

番組の背景と構成

この番組は、以前の日曜12:00枠に放送されていた毎日放送制作の『婚約診断スイッチON』から時期を経てスタートし、その際に枠の入れ替えが行われました。これにより、日曜12:00枠がTBS制作の新たな枠として確立されたのです。また、視聴者参加型というスタイルは、多くの同時期のバラエティ番組の中でも新鮮な試みでありました。

番組の内容

番組は、日本各地を巡りながら、列車を貸し切って行われました。参加者は4人1組のチームを組み、全10チーム（後に8チームに変更）で、一般常識やその地に特有のクイズに挑むこととなります。クイズはすべて三者択一形式で、不正解の参加者は「落っこちクイズ」と呼ばれる特別なルールで途中下車を強いられることがありました。

特筆すべきは、「落っこちクイズ」がいつ出題されるかわからないという点です。出題時には踏切警報機を模した小道具の警笛が鳴り、視聴者をハラハラさせました。また、前期には「ラビットクイズ」と称されるクイズもあり、こちらはラビット関根がコスプレをして正解を示すユニークなものでした。

優勝と賞金

成績上位の2チームは、最終目的地で降車後に日本の名所を舞台に決勝戦を行いました。この際、優勝チームには賞金40万円と20万円相当の旅行券が贈られ、合計で60万円の獲得が可能でした。前期にはゲーム形式の企画もありましたが、後期からはクイズ中心の内容にシフトしました。

特別ルールと復活ゲーム

特に印象的なエピソードとして、江ノ島電鉄のルールが挙げられます。藤沢駅から江ノ島間での○×クイズで誤ったチームが次の駅で降車し、指定時間内に江ノ島まで走らなければなりませんでした。また、途中で「落っこった」参加者にはネット局のアナウンサーによるおたすけゲームが行われ、クリアすれば賞金が支給されていました。

出演者と放送エリア

司会は、渡辺文雄と松宮一彦が担当し、ラビット関根を始めとしたレギュラー陣も活躍しました。番組は多くの地域を訪れ、鴨川から箱根、草津温泉まで様々な場所で収録が行われました。各地での撮影ならではの風景が、番組の魅力を一層引き立てました。

番組の評価と影響

放送期間はわずか半年にとどまりましたが、その手法や内容から、同じく視聴者参加型の『日本縦断クイズ合戦』へとつながるいきさつがありました。しかし視聴率は異なる他局の番組には及ばず、苦戦を強いられることとなったのです。このように、視聴者参加型クイズ番組の草分けとしての試みはありましたが、形を変えながらも新しいスタイルに挑むことは次の世代へと引き継がれることとなりました。

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