クイズ新幹線

クイズ番組『クイズ新幹線』：東海道・山陽新幹線を舞台にした知的エンターテインメント

1977年10月から1978年3月にかけて、読売テレビで平日夕方に放送されたクイズ番組『クイズ新幹線』。東海道・山陽新幹線の博多駅から東京駅までの全線開通を記念して制作された、この番組は、そのユニークなルールと、当時を知る世代にとっては懐かしい記憶を呼び覚ます、魅力的な内容で人気を博しました。

番組は、博多駅をスタート地点として、クイズに正解するごとに東へ、不正解になると西へ、1駅ずつ移動するというシンプルなルールを採用していました。毎日15分間の放送で、視聴者を楽しませる工夫が凝らされていました。

特に特徴的だったのは、新大阪駅到達時の「新大阪クイズ」と、名古屋駅到達時の「チャレンジクイズ」です。「新大阪クイズ」は3択問題で、正解すれば2駅前進、不正解なら2駅後退という、ハラハラする展開を演出。そして、名古屋駅に到着した挑戦者には、東京駅への直通切符を賭けた「チャレンジクイズ」への挑戦権が与えられました。この「チャレンジクイズ」は、6つのテーマから1つを選び、そのテーマに関するクイズに挑戦するというもので、見事正解すれば10万円の賞金と東京駅への到着、そして優勝という栄冠を手に入れることができました。不正解の場合は、残念ながら博多駅へと戻されてしまいました。

「チャレンジクイズ」に挑戦せずとも、1問ずつ着実に正解を重ねて東京駅に到着すれば、もちろん10万円の賞金が贈られました。東京駅に到着できなかった場合でも、最終到達駅に応じて賞金と、その駅のある地域の特産品が記念品として贈られました。

番組では、東海道・山陽新幹線の全28駅（放送当時）を舞台としていましたが、放送時間の都合上、実際には18駅に絞ってゲームが展開されました。これは、クイズのテンポを維持し、視聴者に飽きさせないための工夫と言えるでしょう。

司会は、当時人気を博していた上岡龍太郎氏が務め、その軽妙な語り口と、時に厳しく、時にユーモラスな進行で番組を盛り上げていました。番組の雰囲気は、クイズの緊張感と、上岡龍太郎氏の絶妙な司会進行によって、視聴者を惹きつける独特の面白さを生み出していたと言えるでしょう。

放送時間は、平日の17時15分から17時30分でしたが、1977年のプロ野球日本シリーズ第4戦放送時には、17時35分から17時50分に変更され、番組の後半では次の番組である「読売新聞ニュース」の告知がスーパー表示で流されるなど、臨機応変な対応も番組制作陣の工夫が見られた点です。

『クイズ新幹線』は、単なるクイズ番組にとどまらず、当時の日本の高度経済成長と、東海道・山陽新幹線の発展という時代背景を反映した、時代を象徴する番組でもありました。新幹線という近代的な交通機関と、クイズというエンターテインメント性の高い要素が融合したこの番組は、多くの視聴者に楽しさと知識を提供し、そして、昭和時代の夕方のひとときを彩る、記憶に残る番組として、人々の心に刻まれていることでしょう。

番組で使用された主な駅は以下の通りです。

スタート：博多（福岡）
1問正解：小倉（福岡）
2問正解：小郡（現：新山口）（山口）
3問正解：広島（広島）
4問正解：岡山（岡山）
5問正解：新神戸（兵庫）
6問正解：新大阪（大阪）
7問正解：京都（京都）
8問正解：米原（滋賀）
9問正解：名古屋（愛知）
10問正解：豊橋（愛知）
11問正解：浜松（静岡）
12問正解：静岡（静岡）
13問正解：三島（静岡）
14問正解：熱海（静岡）
15問正解：小田原（神奈川）
16問正解：新横浜（神奈川）
17問正解（ゴール）：東京（東京）

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