クイックシルバー (ブランド)

クイックシルバー：海と山のスポーツを彩るグローバルブランド

クイックシルバーは、カリフォルニア州ハンティントンビーチに拠点を置く、世界的に有名なサーフィンおよびスノーボードブランドです。1970年、オーストラリアで誕生し、革新的なボードショーツを発表して以来、サーフカルチャーをリードする存在として成長を続けてきました。

ブランドの起源と発展

クイックシルバーの創業は1970年、オーストラリアのベル海岸にまで遡ります。アラン・グリーンとジョン・ロウという二人の情熱的なサーファーによって設立され、当初はサーフィン用のボードショーツを専門に扱う会社でした。ブランドのアイコニックなロゴマークは、葛飾北斎の有名な浮世絵作品「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」の波と富士山をモチーフとしており、ブランドの精神である海の力強さと自然への敬意を象徴しています。

その後、クイックシルバーは事業を拡大し、サーフィン関連製品だけでなく、スノーボードウェアやアクセサリーなども取り扱うようになりました。 若年層の女性をターゲットとしたアパレルブランド「ロキシー」も傘下に収め、多角的な展開を進めています。ロキシーのロゴマークは、クイックシルバーのロゴをモチーフにしたハート型で、ブランドの親しみやすさと女性らしさを表現しています。さらに、DCシューズなどのスポーツブランドもグループ内に抱え、総合的なスポーツアパレル企業へと成長を遂げました。

しかし、2015年には経営上の困難に直面し、連邦倒産法第11章に基づく破産申請を行いました。しかし、その後はオークツリー・キャピタル・マネジメントなどの投資ファンドの支援を受け、再建に成功。2017年には社名を「ボードライダーズ（Boardriders, Inc.）」に変更し、新たなスタートを切りました。そして2023年にはオーセンティック・ブランズ・グループに買収され、同社傘下の一ブランドとして現在も事業を展開しています。

世界規模の展開と影響力

クイックシルバーは、アジア、オセアニア、ヨーロッパ、北米、南米など世界各国に約150店舗を展開しており、ロキシーの店舗も別途存在します。日本においても、原宿に世界最大級の旗艦店を構えるほか、全国各地のアウトレットモールなどにも出店しています。これらグローバルな展開を通じて、クイックシルバーは世界中のサーファーやスノーボーダー、そして数多くのスポーツ愛好家たちに、高品質な製品とブランド体験を提供し続けています。

トップアスリートたちのサポート

クイックシルバーは、長年にわたり、世界中のプロおよびアマチュアアスリートをサポートしてきました。サーフィンではケリー・スレーターをはじめ、多くのワールドチャンピオンを輩出しており、スノーボードではトラビス・ライスなどの著名な選手がクイックシルバーのウェアを着用して活躍しています。そのほか、スキーヤーやスケーターなど、幅広いジャンルのアスリートを支援することで、スポーツシーンへの貢献も続けています。具体的には、Lisa Andersen、Sofía Mulánovich、Sally Fitzgibbonsなど数々の女性サーファーや、Torah Bright、Sarah Burkeといったスノーボード界のトップアスリートなどをサポートしています。

クイックシルバーの未来

数々の困難を乗り越え、成長を続けてきたクイックシルバーは、今後も革新的な製品開発と世界規模でのブランド展開を通じて、サーフカルチャーとスノーボードシーンを盛り上げていくでしょう。オーセンティック・ブランズ・グループ傘下での新たな展開にも期待が集まります。

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