クイーンズ・ビレッジ駅

クイーンズ・ビレッジ駅は、アメリカ合衆国ニューヨーク州クイーンズ区のクイーンズ・ビレッジ地区に所在する、ロングアイランド鉄道（LIRR）の駅です。具体的には、スプリングフィールド・ブールバードと218丁目の間に位置しています。この駅はLIRRの本線の一部として機能しており、合計4本の線路に沿って配置された2面の相対式高床ホームを備えています。この駅を主な発着駅とするのは、LIRRのヘンプステッド支線を経由する列車です。

駅のすぐ東側には、「クイーンズ信号場（Queens Interlocking）」と呼ばれる重要な鉄道施設があります。この信号場は、ユニバーサル・インターロッキングシステムによって制御されており、合計4本の線路の流れを管理しています。具体的には、本線とヘンプステッド支線という2つの並行する各2線のグループへと線路を分離または合流させる機能を持ち、さらにベルモントパーク競馬場方面への枝線が分岐する地点の運行も制御する、この地域の鉄道網における要衝となっています。

歴史

現在のクイーンズ・ビレッジ駅が存在する場所には、鉄道の歴史が古くから刻まれています。1837年の3月から11月にかけて、この地には初期のブルックリン・アンド・ジャマイカ鉄道の駅がありました。当時はフラッシング・アベニュー駅と呼ばれ、その後ディランシー・アベニュー駅、さらにブラッシュビル駅と名称を変えています。この最初の駅は、後に現在の212丁目付近、Ben Lane's Hotelがかつてあった場所へと移転し、旧ベルエア駅として知られるようになりました。

現在のクイーンズ・ビレッジ駅の直接の起源は、1879年（一部資料では1881年）に地上に開業した「クイーンズ駅」に遡ります。開業当時の駅舎には、長距離の終点であるロングアイランドシティ駅やグリーンポート駅からの距離を示す看板が設置されていたと記録されています。この最初の駅舎は、地域における勾配解消計画に伴い新しい駅舎が建設される過程で、個人の所有地へと移転されました。そして、新しい駅舎が1924年 9月24日に営業を開始しました。この新駅舎の開業に伴い、駅名も現在の「クイーンズ・ビレッジ」へと改称されました。

近年では、利用者の利便性向上と設備の近代化を目的とした改修工事が行われました。2013年 10月30日には、LIRRによってこの改良された駅施設が供用開始されています。この改良工事には、ホームへのアクセスを改善する旅客用エレベーターの設置、駅構内の視認性を高める照明設備の刷新、利用者の安全を確保するための防犯カメラシステムの導入、そして駅舎の外壁の再塗装などが含まれています。

駅構造

クイーンズ・ビレッジ駅は、相対式ホームを2面備えた構造となっており、どちらのホームも8両編成の列車に対応できる十分な有効長を持つ高床式です。各ホームには、階段に加え、バリアフリーに対応した旅客用エレベーターが設置されています。

駅の北側に位置するプラットホームAは、3番線に隣接しています。このホームは通常、アトランティック・ターミナル駅行きやペン・ステーション行きなど、主にマンハッタン方面へ向かう西行きの列車が使用します。このプラットホームA側には、当駅で唯一の駅舎が設けられており、地上2階建ての建物となっています。

一方、駅の南側にあるプラットホームBは、4番線に隣接しています。こちらは通常、ヘンプステッド方面へと向かう東行きの列車が使用するホームです。

駅の中央部には、ホームに接していない2本の線路があります。これらの線路は、当駅には停車せず通過する列車が使用するためのものです。また、南側のプラットホームBのさらに南側には、列車を一時的に留置するための無動力の側線も設けられています。

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