クイーン・シリキット・ナショナル・コンベンション・センター

クイーン・シリキット・ナショナル・コンベンション・センター

クイーン・シリキット・ナショナル・コンベンション・センター（QSNCC）は、タイの首都バンコク、クローントゥーイ区のラチャダーピセーク通りに位置する、国際的な会議や展示会に対応する大規模複合施設です。タイ語では「ศูนย์การประชุมแห่งชาติสิริกิติ์」、英語では「The Queen Sirikit National Convention Center」と表記され、日本語ではシリキット王妃国際会議場と呼ばれることもあります。バンコク都心にあり、公共交通機関からのアクセスも非常に便利な立地を誇ります。

沿革

このコンベンションセンターは、1989年にタイ王国政府が計画したもので、1991年10月にバンコクで開催が予定されていた世界銀行・国際通貨基金（IMF）の第46回年次総会の主要会場として建設されました。施設の名称は、当時のタイ王妃であられたシリキット王妃陛下に敬意を表し、その御名を冠しています。1991年8月29日、当時の国王ラーマ9世陛下とシリキット王妃陛下ご臨席のもと、施設の開館式が執り行われました。

世界銀行・IMF総会の終了後、クイーン・シリキット・ナショナル・コンベンション・センターは、N.C.C. Management & Development Co., Ltd. の管理運営のもと、国際および国内の様々な会議や見本市、各種イベントの会場として広く利用されてきました。特に1992年には、国際的な注目を集めるミス・ユニバース世界大会が開催されるなど、タイにおける国際イベントの拠点としての地位を確立しました。

施設の老朽化に伴い、更なる機能強化と最新化を図るため、2021年4月から大規模な改修工事のため一時閉館しました。約1年半に及ぶリノベーションを経て、2022年9月には最新鋭の設備を備えたコンベンションセンターとして無事リニューアルオープンを果たし、再び国際的なイベント誘致の準備を整えています。

設備

クイーン・シリキット・ナショナル・コンベンション・センターは、広大な敷地に多様な機能を備えた施設群を有しています。大ホールを含む合計35,000平方メートルを超える展示スペースは、大小様々な規模の展示会やイベントに対応可能です。建築様式は、タイの伝統的な意匠を取り入れつつ、現代的な機能性とデザインを融合させた独特なスタイルが特徴です。

施設は利用目的や機能に応じていくつかのゾーンに分かれています。

Zone A: 約5,050平方メートルの空間で、主に施設の顔となるレセプションエリアや広々としたエントランスホールとして機能します。
Zone B: 3階建て構造で、約22,497平方メートルの広さを持ちます。施設の中心となるメイン・プレナリー・ホールに加え、4つの独立した会議室、複数のレストランやカフェテリアが配置されており、大規模な会議やフォーマルな集まりに適しています。
Zone C: 4階建て構造で、約23,051平方メートルと最も広い面積を占めます。主に広大な展示スペースとして利用されるほか、オフィスエリアや、多目的に活用できるオーディトリアムを備えています。
Zone D: 3階建て構造で、約14,067平方メートル。主に施設の運営や関係機関のオフィススペースとして使用されます。

これらの主要なスペースに加え、QSNCCは高度な付帯設備も充実しています。国際会議に不可欠なワイヤレスシステムや専用ブースを備えた同時通訳施設、最新の電話通信設備、X線検査機などを含む包括的な警備システム、最大700台から1500台収容可能な敷地内駐車場（大型バス用スペースも完備）、予期せぬ事態に備える非常電源システム、そして約3,500立方メートルの貯水システムなど、大規模な国際イベントを円滑かつ安全に開催するための機能が網羅されています。

アクセス

クイーン・シリキット・ナショナル・コンベンション・センターは、バンコク都心部の主要道路であるラチャダーピセーク通りに面しており、交通の便に優れています。特に、バンコク・メトロ（MRT）ブルーラインのクイーン・シリキット・ナショナル・コンベンション・センター駅が施設の地下階と直結しているため、公共交通機関を利用して容易にアクセスすることが可能です。

もう一度検索