クエント (装甲騎兵ボトムズ)

クエント星

クエント、またはクエント星は、テレビアニメ『装甲騎兵ボトムズ』の第4部に登場する架空の惑星です。この惑星は、ギルガメスとバララントの両勢力が自由に立ち入れない不可侵宙域に位置しており、地表の多くが厳しい砂漠に覆われています。灼熱の太陽が照りつけるこの地では、水を得ることが難しいため、砂漠を無闇に渡ることは非常に危険です。ところどころにはオアシスが点在し、唯一の都市として宇宙港を有するゴモルがあります。ゴモルには「ゴモルの塔」と呼ばれる先史文明の建造物がそびえ立っています。また、砂漠にはクエント独特の生物「砂モグラ」が生息しています。

クエント人の生活

クエントの住民たちは、成人男性が2メートルを超える巨人族で、数少ない彼らは砂漠の裂孔地帯の最下層で原始的な生活を送っています。ここは灼熱の昼間や急激に冷え込む夜に比べて住みやすい環境であり、住民は自らの足元に広がる地形の特徴から「谷の底」と称される「クエント」という名前が付けられました。

興味深いことに、クエントには純粋なクエント人よりも、ギルガメスやバララントから来た外来者が多く、俗に砂漠商人と呼ばれる彼らとの間で物々交換が行われ、地域経済の重要な一部を担っています。希少な物質「クエント素子」がこの地の最大の輸出品として成立しており、クエント人の女性だけがその製造プラントにアクセス可能です。

クエントの歴史

クエントの文明は、アストラギウス銀河の中心近くで85,000年前に誕生し、当初は繁栄を極めました。しかし、約3,000年前、異能人種と呼ばれる新人類の出現によって、その歴史は大きく変わります。特に異能人種の一人、ラ・ロシャットがもたらす脅威は、当時のクエント人にとって恐れられる存在でした。最終的に、クエント人たちはロシャットの反乱を鎮圧しますが、その過程で異能者への恐怖が生まれ、文明は徐々に衰退へと向かいます。彼らは異能者の存在を脅威とみなし、自らの文明を闇に葬り去る決断を下しました。

ワイズマンの存在

異能者たちがクエントを去った後、残存者たちは自己の意識を原形質保存装置に保存していきました。この結果、非常に強力な存在「ワイズマン」が生まれ、以降、アストラギウス銀河の動向を密かに操ることになります。ワイズマンの意志を受け継ぐ者たちは、クエントでの事件を経て、ワイズマンの後継者が現れることを待ち望んでいました。

クエント事変

やがて、パーフェクトソルジャー（PS）であるキリコ・キュービィーが登場します。彼はクエントで自身の出生の秘密を探る中で、ワイズマンの後継者としての運命を知らされます。このことがきっかけで、キリコは両国が結成した連合からの追跡を受けることになります。しかし、最終的には彼がワイズマンを打倒することで、クエントは大きな爆発を迎え、星そのものが消滅します。

不滅の生活

クエント人は、惑星の破壊から逃れる形で双子星ヌルゲラントに転送され、今なお生活を続けています。彼らは再び集落を築き、かつてのような生活を営んでいますが、その過程で過去の異能者を次第に忘れ去ることになりました。

現在もクエントにまつわる不思議な生物たちが生息し，厳しい砂漠の環境に適応した生態系を形成しています。特に「砂モグラ」は、クエントの独自の生物として、その肉が貴重な蛋白源になっています。

結び

クエントはその特異な地理、独自の文化、歴史を持つ惑星です。生存を確保するための強い精神力と、技術的な限界を超えたクエント人たちの物語は、今後も様々なメディアで語り継がれることでしょう。

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