クサガメ

クサガメ（草亀・臭亀）

クサガメ（学名: Mauremys reevesii）は、爬虫類のイシガメ科に属するカメで、別名リーブスクサガメ、金線亀とも呼ばれています。特に幼体は「ゼニガメ」という名前で流通していることがあります。このカメは特に日本や大韓民国、中国および台湾に広く分布しており、その特徴的な外見や生態から、多くの人々に親しまれています。

分布

クサガメは、主に大韓民国、中国本土の東部から南東部、香港、日本の各地（北海道南西部、本州四国、九州、佐渡島等）、さらに台湾にも生息しています。特に日本では多くの地域に見られますが、その多くは外国から移入された個体か、遺伝的な影響を受けたものである可能性があります。

形態

最大で甲長30センチメートルに達するクサガメですが、オスは19.9センチメートル程度が最大で、日本の個体群は特に大型になることが知られています。背甲はやや扁平で、上から見ると細長く、淡い色合いから褐色、黒色のものが多く見られます。特に、椎甲板（背中の部分）には3本の隆起があり、これが特徴的です。

頭部はオリーブ色で、特に大型の個体では極端に大きくなることがあります。このとき、吻端はわずかに突出し、咬合面は幅広で特に稜や突起は見られません。若い個体では背甲に黄色いシームが見られることがよく、このことが「金線亀」の名の由来とされています。

生態

クサガメは主に、河川や湖、湿地帯に生息しています。泳ぎは得意ではありませんが、日光浴をしながら生活する姿が見受けられます。彼らは起きている時間を昼に持つことが多いですが、夏には夜行性が強くなる傾向も持っています。また、雑食性で、特に大型の個体は貝類や甲殻類も食べて成長します。

繁殖は卵生で、交尾の際にはオスが水中でメスに求愛行動を取ります。メスは水辺から離れた場所に巣を作り、1回に1〜14個の卵を産みます。卵は約2ヶ月で孵化し、幼体は主に夏から初秋にかけて現れますが、多くは地中で越冬します。特にクサガメは、外敵から身を守るために臭腺を持ち、危険を感じると悪臭を発します。

人間との関係

近年では、生息地の破壊や水質汚染、またペットや食用としての乱獲により減少しています。大韓民国や中国では保護の対象とされていますが、日本では生息数が多いとされていますが、移入された個体が多いという指摘もあります。ペットとしての人気も高く、日本にも輸入されていますが、その飼育には注意が必要です。

特にメスは体が大きくなるため、大型のケージが必要です。他の水棲生物との混飼は推奨されていません。餌には専用ペレットや野菜、小魚を供給することが一般的です。これらのカメは非常に長生きすることで知られ、中には60年を超えるものも確認されています。著名な生物学者、南方熊楠も多くの亀を飼育していました。このように、クサガメはその独特な生態や外見から、文化や生態系において重要な役割を果たしています。

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