クサキョウチクトウ

クサキョウチクトウ(草夾竹桃)について



クサキョウチクトウ(学名Phlox paniculata)は、ハナシノブ科に属する多年草です。その美しい花姿から、観賞用植物として世界中で広く栽培されています。日本には明治時代に渡来し、「クサキョウチクトウ」という和名で呼ばれるようになりましたが、これはキョウチクトウ科とは全く関係がありません。名前が長いため、大正時代から戦後にかけては園芸界で「オイランソウ(花魁草)」とも呼ばれていましたが、1958年の売春防止法制定以降、そのイメージからか、現在では学名の英語読みである「フロックス・パニキュラータ」や「宿根フロックス」と呼ばれることが一般的です。

形態・生態



クサキョウチクトウは、草丈が40~120センチメートルほどに成長します。茎は直立し、通常は枝分かれしません。茎には毛が生えていませんが、上部には柔らかい毛が生えることもあります。

花は通常6月から7月にかけて咲き、直径2センチメートルほどの合弁花が、数十輪集まって円錐状の花序を形成します。花序はよく発達すると10数センチメートルから20センチメートル以上にもなります。花の色は、青紫、藤色、紅、白などがあり、筒の部分が白く抜けるものもあります。

分布



原産地は北アメリカで、主にアメリカ合衆国北東部に分布しています。

人間との関わり



クサキョウチクトウは、アメリカ、イギリス、ドイツなどの国々で非常に人気のある花壇用草花として親しまれています。数百種類もの栄養繁殖系の品種が作出されており、その多様な花色や草姿が楽しまれています。耐寒性は比較的高いものの、高温多湿には弱いため、日本では梅雨の時期と開花時期が重なることで、東京以南の温暖な地域では生育が難しい場合があります。一方で、北関東や東北地方、中部山岳地域などでは、比較的丈夫で育てやすい植物です。

栽培する際には、秋の9月頃に株分けした苗を植え付けるのが一般的です。日当たりが良く、水はけの良い場所を選ぶことが重要です。株間は30センチメートル程度に保ち、風通しを良くすることも大切です。また、9月下旬頃に種をまいて栽培することも可能です。

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関連項目

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