クスコ

クスコについて



クスコ(CuscoまたはCuzco)は、ペルー南東部のクスコ県に位置する都市で、標高3400mのアンデス山脈の中に広がっています。この地域の文化と歴史の中心地として知られ、2021年時点で約48万人の人口を有しています。クスコという名前は、ケチュア語で「へそ」という意味を持ち、かつてインカ帝国の首都としてその重要性を持ち続けてきました。クスコは現在でもペルー有数の活気ある都市として知られ、多くの観光客を魅了しています。

歴史



キルケ文化の時代



インカ人が移住する以前の1200年代より遡ると、この地域はキルケ人によって支配されていました。彼らは900年から1200年の間にこの地で発展を遂げ、特にサクサイワマン要塞の遺構は、キルケ文化の重要な証拠とされています。考古学者の発掘により、1100年頃の古代寺院や導水設備がサクサイワマン遺跡で発見され、キルケ文化の影響が確認されています。

インカ帝国の誕生



1200年代から1532年にかけて、クスコはインカ帝国の首都として栄えました。街は複雑に設計された区画に分かれ、それぞれ南北東西4つの街区が存在し、各地区はそれぞれの部族の指導者たちに管理されていました。インカの伝説では、皇帝パチャクテクによって都市が整備され、サパ・インカの権力の象徴として発展したと言われています。彼の治世以降、クスコは急速に拡大し、帝国の経済と文化の中心としての機能を果たしました。しかし、1532年にアタワルパ軍によって占領され、その後スペインの征服者によって侵略を受けます。

スペインによる征服と植民地時代



1533年、スペイン人がクスコに到着し、1560年代にかけて都市の再建が進められました。彼らはインカの神殿や建物を破壊し、その残骸を資材として使用して新たにカトリック教会や大学を建設しました。このことにより、クスコの文化にはスペインとインカの建築スタイルが融合した独自の風合いが生まれました。様々な教会や大聖堂が市内に点在し、観光スポットとしての魅力を増しています。

気候と地域特性



クスコは高地に位置するため、昼夜の寒暖差が大きく、乾季と雨季がはっきりしています。観光シーズンは主に乾季に集中し、訪れる人々はインカ文明の遺跡を観光するために世界中から集まります。特に、ユネスコの世界遺産に指定されている古代の遺跡や建物が多く、文化的価値の高い地域としても知られています。

観光名所



アルマス広場



アルマス広場は、クスコの歴史的な中枢であり、重要な出来事の舞台でもありました。この広場の周囲には、スペインの植民地時代に建設されたアーケードが並び、中央には大聖堂とラ・コンパニーア・デ・ヘスス教会があります。特に、フランシスコ・ピサロの歴史的な宣言が行われた場所としても知られています。

ラ・コンパニーア・デ・ヘスス教会



この教会は、1576年にイエズス会によって建設が始まり、コロニアル・バロックスタイルの美しい建築が見どころです。内装には金箔で覆われた装飾が施され、美術的価値も高いです。

モニュメントと博物館



クスコには、数多くの博物館や文化施設があります。インカ博物館や旧コロンビア美術館、マチュピチュ博物館などがあり、それぞれにインカの歴史や美術品が展示されています。

交通アクセス



市街地にはアレハンドロ・ベラスコ・アステテ国際空港が存在し、地域内外へのアクセスが便利です。特に、マチュピチュとの連携が深く、多くの訪問客がこの地を訪れる時の通過点として利用します。

クスコは、その歴史、文化、そして美しい遺跡群を背景に、訪れる人に深い感動を与える場所です。

もう一度検索

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。