クズ属

クズ属（Pueraria）は、アジアを原産とする15〜20種からなる植物のグループです。これらの植物は、伝統的な中国医学において、アルコール摂取による不快な反応を軽減する目的で使用されてきました。近年では、その効果に関する科学的な研究も進められています。

クズ属の系統

クズ属は、ダイズ属、ヤブマメ属、フジボグサ属など、マメ科インゲン連に属する他の多くの属と近縁関係にあります。しかし、遺伝的な研究の結果から、クズ属は単一の祖先から進化したのではなく、複数の異なる系統の種から構成される多系統群であることが明らかになっています。

主要な種

特に重要な種として、以下の5種が挙げられます。これらの種は形態的な差異が少なく、互いに交配が可能です。アメリカ合衆国に導入されたクズの集団は、これらの種のうち1つ以上を祖先に持っていると考えられています。

P. edulis Pamp. (食用葛): 中国では食用として利用されます。
P. lobata (Willd.) Ohwi (クズ): 日本でも馴染み深い種で、一部では P. montana var. lobata として扱われます。
P. montana (Lour.) Merr. (タイワンクズ)
P. phaseoloides (Roxb.) Benth. (クズインゲン)
P. thomsonii Benth. (シナクズ)

その他の種

上記以外にも、クズ属には様々な種が存在します。

P. bella
P. mirifica (プエラリア): タイなどに自生し、美容関連の用途で注目されています。
P. omeiensis Wang et Tang
P. peduncularis Grah. (苦葛): 中国では薬用として利用されます。
P. tuberosa (Roxb.ex Willd.) DC.
P. wallichii (クズ属に属さない可能性): 須弥葛（スミクズ）という中国名を持ちます。
P. alopecuroides (密花葛)
P. stricta (小花野葛)
P. calycina (黄毛萼葛)

クズ属の植物は、その多様な形態と利用法において、人々の生活と深く関わってきました。今後の研究により、これらの植物のさらなる可能性が明らかになることが期待されます。

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