クラウド・サーフィング

クラウド・サーフィングとは

クラウド・サーフィング（crowd surfing）は、主にロックコンサートにおいて観客の間で行われるアクティビティであり、特にエネルギッシュな環境で自然発生的に行われることが多いです。この行為では、観客がステージに向かってダイブした後、その体を周囲の人々に支えられながら、まるでサーフィンをしているかのように進む様子が特徴的です。言葉としては「クラウドサーフ」とも呼ばれることがあります。

クラウド・サーフィングの流れ

クラウド・サーフィングを楽しむためには、いくつかの条件が整っている必要があります。まず、周囲に十分な人数が密集していることが重要です。通常、これはステージに近い場所で実施されます。サーファーが自分の身体を周囲の観客に預けると、他の観客は彼を支えながら感覚的にステージの方へと押し出します。この時、彼は空中を移動し、周囲の人々の協力を得て安全に進行します。

危険性と規制

しかし、クラウド・サーフィングは危険を伴う行為でもあります。モッシュと同様に興奮した一部の観客によって引き起こされることが多く、予期しない事故が発生するリスクがあります。そのため、特定の公演では「ダイブ」自体を禁止する場合があり、開演前にその旨がアナウンスされることもあります。

特に海外のライブシーンでは、クラウド・サーフィングが原因と思われる事故が発生し、過去にはその結果として死者が出たこともあります。こうした事故を受けて、ライブの主催者やアーティストは観客に対して注意喚起を行うことが増えています。実際に、ステージ上のアーティストがクラウド・サーフィングをしている観客に対して注意をする事例も報告されています。

さらに、2020年以降に新型コロナウイルス感染症（COVID-19）が流行し始めてからは、多くのライブハウスでモッシュと共にクラウド・サーフィングが全面的に禁止されるようになりました。このような状況は、観客の安全を守るための措置でもあります。

日本における誤解

日本では、「クラウドサーフィング」という行為を指して「ダイブ」という単語が使われることがしばしばありますが、これは正確ではありません。「ダイブ」は飛び込む行為を意味し、クラウド・サーフィングはその後の観客に抱えられる行為を指しています。したがって、正しい理解を持つことが重要です。

関連項目

クラウド・サーフィングに興味を持つ方は、以下の関連する用語についても知識を持っておくと良いでしょう。

• - モッシュ: 観客同士が近接して行う激しい動き。
• - ウォール・オブ・デス: 観客が互いに対照的に動き、中央に空間を作るスタイル。
• - エア・ギター: 音楽に合わせてギターを模倣するパフォーマンス。
• - ストーム: 観客の集団が立ち上がること。
• - ヘッドバンギング: 音楽に合わせて頭を上下に振るモーション。
• - メロイック・サイン: 手で作るサインで、主にメタル系の音楽文化でよく見られる。

このように、クラウド・サーフィングはライブパフォーマンスにおける独特な体験でありながら、その危険性も無視できない行為です。観客の楽しみと安全がどのように両立できるか、今後のライブ文化において考慮すべき重要なテーマです。

もう一度検索