クリエイティブ・コモンズ

クリエイティブ・コモンズ（Creative Commons）

概要

クリエイティブ・コモンズ（略称: CC）は、著作物の適切な再利用を促進するための国際的なプロジェクトであり、著作者が自分の作品を再利用することを許可するライセンス体系を提供しています。このプロジェクトは、著作権に関連する法的障害を最小限に抑え、情報の自由な流通を支援することを目的としています。クリエイティブ・コモンズは、さまざまなレベルのライセンスを策定し、広く普及させる役割を果たしています。

理念

クリエイティブ・コモンズは、知的所有権や著作権法によって情報共有が妨げられる場合に対応するために設立されました。この理念のもと、著作権者が作品をリリースする際、無料で利用できるライセンスのプロトタイプを提供し、作品がオンラインで検索可能で機械によって処理されやすいようにメタデータのフォーマット（RDF/XML）を提案しています。

概要と歴史

2001年にアメリカで設立されたクリエイティブ・コモンズは、その後の展開で多くの成果を上げています。設立時の発起人には、著作権とインターネット法の専門家が含まれています。2002年には、最初のクリエイティブ・コモンズ・ライセンス（バージョン1）が発表され、以降、さらなるライセンスの開発が続けられています。2004年にはアルス・エレクトロニカ賞を受賞し、2008年には新たなCEOとして伊藤穣一が就任しました。

2011年には、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスを利用したプロジェクトの国際的な事例を紹介する『The Power of Open』を発表しました。さらに、2013年には日本の文化庁が独自ライセンスの計画を断念し、クリエイティブ・コモンズを支援することを公表しました。2017年には、Creative Commons Searchが立ち上げられ、作品検索の手段が提供されました。

ライセンスの種類

クリエイティブ・コモンズでは、著作権者の意向に沿った利用を促すため、いくつかのライセンスを提供しています。

• - CC BY: 著作権者を表示した上で、複製や頒布が可能。
• - CC BY-NC: 非営利目的での使用に限定され、著作権者の表示が必要。
• - CC BY-ND: 複製や頒布可能だが、改変は禁止。
• - CC BY-NC-ND: 非営利かつ著作権者表示、なおかつ改変不可。
• - CC BY-SA: 元作品のライセンスを引き継いだ改変を許可。
• - CC BY-NC-SA: CC BY-SAの非営利制限あり。
• - CC0: 権利者が作品をパブリックドメインにするツール。
• - PDM: 既にパブリックドメインの作品に標示するツール。

プロジェクト

クリエイティブ・コモンズは、国際的な展開を進める「Global Affiliate Network」を設立しています。85か国以上のボランティアやコミュニティメンバーが参加し、翻訳や地域活動を推進しています。この取り組みの一環として、オープン教育や著作権改革、美術館などの作品のオープンアクセス化を図る「GLAM Platform」が存在しています。

また、2017年にはクリエイティブ・コモンズ・ライセンスの作品を簡単に検索できる「Creative Commons Search」が公開され、高品質なコンテンツへのアクセスを容易にしています。

日本における活動

日本においては、クリエイティブ・コモンズ・ジャパン（CCJP）が2003年に設立され、国内法に基づくライセンスの適用を進めています。以降、法人化され、文化活動の支援を行い、ライセンスの普及に努めています。

クリエイティブ・コモンズは、知識や文化をオープンに共有する場を提供し、創造活動の活性化に貢献しています。さまざまな分野でのオープンな情報流通は、今後ますます重要になるでしょう。

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