クリシュヤーニス・カリンシュ

アルトゥルス・クリシュヤーニス・カリンシュは、1964年12月13日にアメリカ合衆国で生まれたラトビアの政治家です。彼は首相、外務大臣、そして欧州議会議員といった要職を歴任しました。

生い立ちとキャリアの始まり

カリンシュは、ラトビア系アメリカ人の家庭に生まれました。ペンシルベニア大学で言語学の博士号を取得後、ラトビアに移住し、ビジネスの世界に足を踏み入れ、氷や冷凍食品の製造・販売事業を始めました。

政界への進出

2002年、カリンシュは新時代党の設立に共同で携わり、同年10月には国会議員に初当選を果たしました。その後、2004年まで新時代党の国会議員団長を務め、2004年12月から2006年4月にかけては、経済大臣として第一次カルヴィティス内閣に参画しました。2007年3月には、エイナルス・レプシェと共に新時代党の共同代表に就任しました。

欧州議会議員として

2009年7月、カリンシュは欧州議会議員に選出されました。欧州議会では、最大会派である欧州人民党に所属し、産業・研究・エネルギー委員会、経済・金融問題委員会、租税監督特別委員会などの委員を務めました。また、欧州歴史和解議員連盟にも参加しました。2011年8月、新時代党は中道右派の統一党と合併しましたが、カリンシュは2014年の欧州議会議員選挙でも再選を果たしました。

ラトビア首相として

2018年のラトビア総選挙で、カリンシュは統一党の首相候補として指名されました。2019年1月7日、大統領のライモンツ・ヴェーヨニスはカリンシュに次期内閣の組閣を委託し、1月23日には、5つの政党（KPV LV、新保守党、発展・For!、国民連合、統一）からなる中道右派連立内閣が発足し、カリンシュが首相に就任しました。

2023年5月31日の大統領選挙でエドガルス・リンケービッチ外相が大統領に選出されたことを受け、カリンシュは後任を探すこととなりました。しかし、リンケービッチの就任2週間前の6月下旬の時点でも後任を発表せず、結局、新たな外務大臣が議会で承認されるまで自らが職務を引き継ぐこととなりました。同年8月14日、連立政権内部の対立を理由に首相を辞任する意向を表明し、17日にリンケービッチ大統領に辞表を提出しました。

2023年9月15日、国会はカリンシュの首相辞任を承認し、後任として同国で2人目の女性首相となるエビカ・シリニャが承認されました。

その後

首相辞任後、カリンシュはシリニャ内閣で外務大臣として留任しました。しかし、2024年3月28日には、4月10日付で外務大臣を辞任すると発表しました。これは、首相在任中にプライベートジェットを使用したことに関して、検察が公金不正使用の疑いで捜査を開始したことを受けての決断でした。

政治的な方針

カリンシュは、国内の飲酒運転に対する厳罰化を推進しており、2023年2月13日には、飲酒運転で摘発された車両を没収し、ウクライナへ寄付するという新たな制裁措置を許可しました。

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