クリーブランド・クリフス

クリーブランド・クリフス：北米最大の鉄鋼メーカー

クリーブランド・クリフス（Cleveland-Cliffs Inc）は、アメリカ合衆国オハイオ州クリーブランドに本拠を置く、鉄鋼製造会社です。2022年の粗鋼生産量では世界25位にランクインし、アメリカ国内では第3位のシェアを占めています。また、北米最大の圧延平鋼メーカーとしても知られています。

歴史

1847年、オハイオ州の実業家たちによって設立された企業が、クリーブランド・クリフスの前身です。その後、1891年に同業他社との合併を経て、現在の社名となりました。創業以来、アメリカ国内での資源調達と鉄鋼生産を主軸として事業を展開してきましたが、第二次世界大戦後には、オーストラリアやカナダでの鉄鉱石採掘にも進出しています。

事業拡大と買収戦略

クリーブランド・クリフスは、積極的に企業買収を進めることで、事業規模を拡大してきました。

2007年6月: USスチール傘下であった石炭会社ピノオークを買収。
2010年1月: フリーウェスト・リソーシズ・カナダを2億4000万カナダドルで買収。
2011年5月: 武漢鋼鉄集団からコンソリデーテッド・トンプソン・アイアン・マインズを49億カナダドルで買収。
2020年3月: AKスチール・ホールディングスを11億ドルで買収。
2020年12月: アルセロール・ミッタルUSAを14億ドルで買収。この買収により、クリーブランド・クリフスは圧延平鋼生産で北米最大の企業となりました。
2024年7月: かつてUSスチール傘下だったカナダの鉄鋼メーカー、ステルコを現金と株式で25億ドルで買収。

これらの買収を通じて、クリーブランド・クリフスは資源調達から鉄鋼生産までを一貫して行う体制を強化し、北米市場での存在感を高めています。

製品

2020年代に入り、クリーブランド・クリフスは、以下のような様々な種類の鋼材を製造しています。

先進高強度鋼（AHSS）
溶融亜鉛めっき鋼
電気亜鉛めっき鋼
ガルバニアル
熱間圧延コイル
冷間圧延コイル
ブリキ
方向性電磁鋼（GOES）
無方向性電磁鋼（NOES）
ステンレス鋼

これらの製品は、自動車、建設、家電など、様々な産業で使用されています。

USスチール買収合戦

2023年、クリーブランド・クリフスはUSスチールの買収に名乗りを上げ、USスチールの従業員が加盟する労働組合（全米鉄鋼労組（USW））からの支持も得ました。しかし、最終的には買収額で日本製鉄に敗れました。

その後、2024年のアメリカ大統領選挙の立候補者が買収計画に難色を示したため、買収は破談となりました。クリーブランド・クリフスは、この状況を受けて買収計画の再検討や資産の買い取りなどを検討しています。

まとめ

クリーブランド・クリフスは、長年の歴史と積極的な事業展開を通じて、北米鉄鋼業界における主要なプレーヤーとしての地位を確立しました。今後も、技術革新と市場の変化に対応しながら、さらなる成長を目指していくと予想されます。

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