クレヨンしんちゃん 激突! ラクガキングダムとほぼ四人の勇者

映画『クレヨンしんちゃん 激突！ラクガキングダムとほぼ四人の勇者』概要

2020年9月11日に公開された『クレヨンしんちゃん 激突！ラクガキングダムとほぼ四人の勇者』は、クレヨンしんちゃんの劇場版第28作であり、彼の生誕30周年を記念した特別な作品です。本作は、1995年の『雲黒斎の野望』以来、臼井儀人の原作に基づいており、外伝『ミラクル・マーカーしんのすけ』がストーリーの基盤となっています。

当初、公開は2020年4月24日を予定していましたが、新型コロナウイルスの影響で延期され、最終的には9月11日に決定しました。社会情勢を反映して公開がずれ込むのはシリーズ初の事例であり、27年ぶりに4月以外の日程での公開となりました。さらに、劇場版としては初めて鬼瓦築造が声付きで登場し、彼のキャラクターをファンが楽しむことができました。エンドクレジット後には次回作の予告も用意され、次のタイトルが『謎メキ!花の天カス学園』であることが発表されました。

あらすじ

物語は、地上の人々が減少している落書きをエネルギー源とする空中に浮かぶ「ラクガキングダム」が存続の危機に直面するところから始まります。王国軍は、落書きを無理やり増やすために「ウキウキカキカキ作戦」を実施するため、地上に攻め入ってきます。

この困難を乗り越えるべく、王国の姫は「ミラクルクレヨン」という王国の秘宝を地上の勇者に託すことにします。しかし、このクレヨンを手に入れたのは、なんと野原しんのすけでした。しんのすけは、自らの落書きでぶりぶりざえもんやニセななこ、ブリーフといった仲間を実体化させ、勇者として春日部を取り戻すために立ち上がります。

本作に登場するキャラクターの多くは、原作に造詣のあるものですが、いくつかは映画オリジナルのキャラクターとなっています。しんのすけたちはそれぞれの役回りで活躍しながら、地上の人々やラクガキングダムの姫、宮廷画家などと協力し、邪魔をするリンゴ、イチゴ、メロンといった悪役の襲撃を受けます。

主要キャラクター

• - ブリーフ: しんのすけが描いた、真面目なパンツで、彼のサポート役として活躍。しかし最終的に自らの身を犠牲にします。
• - ニセななこ: しんのすけのイメージで描かれたキャラクター。しんのすけへの献身が光りますが、最終的には彼女も消えてしまいます。
• - ぶりぶりざえもん: やる気のないが登場人物の一人で、最初は裏切りますが、しんのすけたちの努力のお陰で最終的にクラスターに戻り、国を救います。
• - ユウマ: 幼いながらも仲間たちをサポートする重要な役割を果たし、地道に勇者たちを助けます。彼は、新たな視点から物語に関わるキャラクターで、視聴者が彼としんのすけの関係の成長を楽しむことができます。

ラクガキングダムの設定

ラクガキングダムは、空中に浮かぶ落書きの王国で、その住人は水に弱く、濡れると消える特異な特徴があります。このため、地上での落書き活動が必要不可欠となっています。本作では、ラクガキングダムを守るためのミラクルクレヨンやミラクルカメラなどの独自の用語も登場し、しんのすけたちが冒険する舞台がより魅力的に描かれています。

制作背景

本作は、原作へのリスペクトを深めつつも新たな要素を加え、ファンタジーの世界観を強調しています。監督の京極尚彦と脚本の高田亮は、これまでの作品と一味違ったアプローチを試みており、原作漫画の魅力を際立たせています。特に、劇中の落書きは実際の幼稚園や保育所の子供たちによって描かれ、CG技術で動かされているため、視覚的にも新鮮な体験を提供しています。

音楽と評価

音楽は、レキシが主題歌を担当し、物語を盛り上げる要素として機能しています。また、全体を通じて、子供たちに向けたメッセージや温かさが込められた映画となっています。

公開後、ファンからは好評を博し、しんのすけの新たな冒険が多くの人々に愛されていることを示しています。

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