クロアチア人民解放国家反ファシスト委員会

クロアチア人民解放国家反ファシスト委員会（ZAVNOH）とは

クロアチア人民解放国家反ファシスト委員会（クロアチア語: Zemaljsko antifašističko vijeće narodnog oslobođenja Hrvatske; ZAVNOH）は、第二次世界大戦中にクロアチアにおける反ファシスト国家の最高機関として設立されました。その最後の会合で、自身をクロアチア人民議会（Narodni sabor Hrvatske）へと改組することを宣言し、その役割を終えました。

ZAVNOHの設立と会合

準備委員会

ZAVNOH設立の準備は、1942年12月5日に遡ります。ユーゴスラビア人民解放反ファシスト会議（AVNOJ）のクロアチア代表が、各地区委員会を将来のクロアチア反ファシスト人民解放委員会の準備委員会とするよう求めたことが始まりでした。
1943年3月1日、AVNOJのクロアチア代表は、リカ地方のブリニェ近くのポノールにてZAVNOHの準備委員会に任命されました。

第1回会合

最初の会合は、1943年6月13日にプリトヴィチュカ・イェゼラ、そして6月14日にオトチャツにて開催されました。ヴラディミル・ナゾルが議長に選出され、「クロアチア人民宣言」および「決議」（プリトヴィツェ決議）が採択されました。この決議によって、ZAVNOHはクロアチアの反ファシスト運動における最高機関であることが宣言されました。また、ZAVNOHの責任者として、11名から成る執行委員会（Izvršni odborl IO ZAVNOH）が選出されました。連合軍の代表としてウィリアム・ジョーンズ、スロベニア人民解放戦線の代表としてヤナ・イェルネイもこの会合に出席しました。

第2回会合

第2回会合は、1943年10月12日から10月15日にかけてプラシュキで開催されました。ここでは15名から成る新しい執行委員会が選出され、ZAVNOH執行委員会の1943年9月20日の決定が確認されました。また、「ZAVNOHの内部機関および職務に関する命令」が採択され、ZAVNOHは事実上の国家政府としてクロアチアに関する業務を担うこととなりました。

第3回会合（トプスコ議会）

第3回会合は、1944年5月8日と5月9日にトプスコで開かれ、「トプスコ議会」と通称されました。この会合では、以下の重要な決定がなされました。

クロアチア代表としてAVNOJ会合に参加する委員の認可
ZAVNOHをクロアチア連邦国の立法・行政の最高機関とする
クロアチア連邦国の民族と市民の基本権に関する決議
クロアチア連邦国におけるクロアチア人とセルビア人の完全な同権、および少数民族の人権保障
クロアチア連邦国の全市民に対する、民族、人種、宗教の別によらない法の下の平等
男性と女性の同権
全市民に対する身体および財産の保障、個人の自己決定および財産私有の権利の保障
クロアチア連邦国の人民解放委員会（NOO）および議会に関する決議
* ZAVNOH指導の規則

この会合によって、クロアチア連邦国の樹立が公式に宣言されました。新たに採択された「ZAVNOH指導の規則」によって、執行委員会は解体され、31名から成るZAVNOHの評議会が設立されました。

第4回会合

第4回会合は、1945年8月21日にザグレブのクロアチア議会庁舎で開催されました。この会合でZAVNOHはその名称を「クロアチア人民議会」に変更しました。

ZAVNOHの重要な決定事項

ZAVNOHの会合の間には、数々の重要な決定がなされました。1943年9月20日には、ZAVNOH執行部が、イストラ半島、ザダル、ツレス島、ラストヴォをはじめとする、クロアチア独立国によってイタリア王国の領有とされたクロアチアの領土を奪還することを決定しました。
また、1945年4月14日には、ZAVNOH評議会によって、ヴラディミル・バカリッチを首班とする第1次クロアチア人民政府がスプリトで決定されました。

クロアチア憲法におけるZAVNOH

クロアチア憲法の第1条には、ZAVNOHに関する記述が存在します。

ZAVNOHは、クロアチアの歴史において重要な役割を果たした機関であり、その決定は現代のクロアチアにも影響を与えています。

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