クロイピンの戦い

クロイピンの戦い（1672年）

クロイピンの戦いは、1672年10月12日に、仏蘭戦争の最中にネーデルラント連邦共和国（オランダ）とフランス王国の間で繰り広げられました。戦場となったのは、ヴルデンのクロイピン要塞です。

背景

1672年6月、フランス軍がオランダ国境を越えると、多くの都市や要塞がフランスの大軍に屈し、次々と降伏しました。開戦当初、オランダ軍はトルハウスの戦いを除き、フランス軍との正面衝突を避けていました。しかし、9月中旬になると、オランダ軍の指揮官たちは外国軍による占領に対し、積極的に行動を開始します。

ナッサウ＝ジーゲン侯ヨハン・マウリッツは、フランスに占領されたナールデンの奪還を計画しますが、悪天候のため実行には至りませんでした。しかし、フランス軍はナールデン攻撃の計画を察知し、守備兵力を増強します。一方、オランダ軍では新たな作戦が立案されました。リュクサンブール公率いるフランス軍が陽動作戦でオランダ軍を欺き、北上してナールデンへ向かったことで、ヴルデンへの侵攻に対する障害がなくなったのです。

包囲

オランダ軍は夜陰に乗じて進軍し、ヴルデンに到着しました。ウィレム・アドリアーン2世・ファン・ホルネがフヤンフェヴェレスロイスという閘門から進撃する一方、フレデリック・ファン・ナッサウ＝ザイレステインはヴルデンの東側にあるレインデイクから進軍しました。オラニエ公ウィレム3世とホルネ伯がヴルデンを攻撃する間、ナッサウ＝ザイレステインは敵の遅延を図るため、溝を掘ったり柵を立てたりしました。

リュクサンブール公はナールデンからヴルデンへ移動を開始しますが、ナッサウ＝ザイレステインが築いた障害物に阻まれます。彼は直ちに突撃を命じますが、これは撃退され、二度目の攻撃も失敗に終わりました。しかしその後、彼はオランダ軍の守備の弱点を発見し、そこを突破することに成功します。その後、ナッサウ＝ザイレステインの軍勢との激戦となりますが、オランダ軍は徐々に不利となり、ヴルデンへの攻撃は中止されました。

結果

この戦いの結果、オランダ軍はナッサウ＝ザイレステインを含む600名もの戦死者を出しました。ナッサウ＝ザイレステインの軍職は、ウィレム3世によってゲオルク・フリードリヒ・フォン・ヴァルデックに引き継がれました。新たな同盟国からの援軍が到着する見込みとなったため、ウィレム3世は11月にマーストリヒトへの進軍を開始。その後、シャルルロワも攻略しました。冬が訪れ、オランダの洪水線が凍結すると、リュクサンブール公は冬季攻勢を開始し、ツヴァメルダムとボデフラーフェンを攻略しました。


参考文献
* Luc Panhuysen (2009): Rampjaar 1672, hoe de Republiek aan de ondergang ontsnapte. Atlas-Contact.

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