クロン・グレイシー

クロン・グレイシー：グレイシー一族の系譜を受け継ぐ柔術家、総合格闘家

クロン・グレイシーは、ブラジリアン柔術界、そして総合格闘技界において、その名を馳せるグレイシー一族の一員です。1988年7月11日、ブラジル・リオデジャネイロに生まれ、現在はアメリカ合衆国カリフォルニア州を拠点に活動しています。父は、伝説的な柔術家として知られるヒクソン・グレイシー、兄はハクソン・グレイシーです。

クロン・グレイシーは、19歳という若さで父ヒクソンからブラジリアン柔術黒帯を授与されました。これは、彼の卓越した才能と努力を証明するものです。その実力は、数々の世界的な大会での活躍によって裏付けられています。

グラップリングでの輝かしい戦績

クロン・グレイシーは、ADCC（アブダビ・コンバット・クラブ）という世界最高峰のグラップリングトーナメントで、目覚ましい成績を残しました。2009年のADCCでは、1回戦でリアネイキドチョーク、2回戦ではギロチンチョークによる一本負けを喫しましたが、2011年には77kg未満級で銅メダルを獲得。2013年のADCC Worldsでは、見事優勝を果たしました。この大会では、1回戦から決勝まで、リアネイキドチョークやギロチンチョークなど、得意とする絞め技を駆使し、圧巻の一本勝ちを連発しました。また、Metamoris 2では青木真也選手をギロチンチョークで下すなど、世界トップクラスの選手を相手に数々の勝利を収めてきました。

彼の得意技は、絞め技、特にリアネイキドチョークとギロチンチョークです。卓越した柔軟性とテクニックを活かし、相手を巧みに極めにいくスタイルは、まさにグレイシー柔術の真髄と言えるでしょう。

総合格闘技への挑戦とUFCでの活躍

2014年、クロン・グレイシーは総合格闘技に転向しました。デビュー戦では腕ひしぎ十字固めで一本勝ちを収めると、その後RIZINで山本アーセン選手、所英男選手、川尻達也選手といった強豪選手を相手に勝利を積み重ねました。

2019年には、念願のUFC（アルティメット・ファイティング・チャンピオンシップ）に参戦。初戦ではアレックス・カサレス選手をリアネイキドチョークで一本勝ちし、パフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを受賞しました。続く試合では、カブ・スワンソン選手に判定で敗れましたが、ファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞。この試合では、セコンドに父ヒクソンが就いたことで話題となりました。

優秀な成績と受賞歴

クロン・グレイシーは、その輝かしい戦績から、多くのタイトルを獲得しています。

ヒクソン・グレイシー杯国際柔術大会 黒帯メジオ級 優勝（2010年）
世界柔術選手権 黒帯ライト級 準優勝（2011年）
ADCC Worlds 2013 77kg未満級 優勝（2013年）
UFC パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト受賞（2019年）
* UFC ファイト・オブ・ザ・ナイト受賞（2019年）

グレイシー家とクロン・グレイシー

クロン・グレイシーは、グレイシー一族という名門の中で育ち、幼少期から柔術の英才教育を受けてきました。その血統と環境が、彼の成功に大きく貢献していることは間違いありません。しかし、彼の成功は、単なる血筋によるものではなく、彼自身の努力と才能によるところが大きいと言えるでしょう。

クロン・グレイシーは、現在も第一線で活躍を続けており、今後の活躍にも期待がかかります。グレイシー一族の伝統を守りつつ、独自のスタイルを確立し、新たな歴史を刻んでいくことでしょう。

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