クローステル・ツェーヴェン協定

クローステル・ツェーヴェン協定

クローステル・ツェーヴェン協定（ドイツ語: Konvention von Kloster Zeven、英語: Convention of Kloster-Zeven）は、七年戦争中の1757年9月8日から9月10日にかけて、イギリスとフランスの間で結ばれた休戦協定です。この協定は、両国の政府からの正式な承認を得ることなく、前線の軍司令官同士が直接取り決めたものであったため、同年末には効力を失いました。

協定の背景

七年戦争の開戦後、イギリスと北ドイツ諸侯の連合軍は、フランス軍に対して劣勢にありました。特に、カンバーランド公が指導する連合軍は、フランスのデストレ司令官の部隊に押され、後退を余儀なくされました。ハステンベックの戦いで敗北した連合軍は、さらにはハノーファーの防衛ができない状況に陥り、フランス軍のリシュリュー公爵に追い詰められて、ダンマークとの境界まで退却する羽目になりました。

ジョージ2世は、連合軍の状況を鑑みて、当時の大臣には内緒でカンバーランド公にフランスとの交渉を許可する方針を示しました。同時に、リシュリューはプロイセンへの軍の派遣を考えており、北ドイツにおける戦力の再調整を進めるため、交渉に前向きとなっていました。結果として、デンマークの仲介を通じて、休戦に関する合意が成立しました。

協定の内容

クローステル・ツェーヴェン協定により、連合軍は事実上解体され、イギリスと帝国諸侯は欧州大陸から撤退できるようになりました。兵士たちはそれぞれの国に帰国することが可能でしたが、ハノーファーはフランス軍によって占領されることになりました。リシュリュー公は、北ドイツに冬営地を確保できたことで満足感を得ましたが、敵軍の武装解除や捕虜化には至りませんでした。これにより、この協定は本国からの承認を得ることはありませんでした。

協定の消滅

イギリス側でもこの協定は承認されず、特に同盟国であるプロイセンの反発により、政府は大陸での戦闘から撤退する意向がありませんでした。ジョージ2世は、カンバーランド公を召還し、「おお、我が息子だ。余を破滅させ、自分の顔に泥を塗った」と言い残し、彼との言葉を交わさなくなりました。これによりカンバーランド公は軍の指揮を辞し、軍を引退することとなりました。

その後、フランスは武装解除を求めて協定の再交渉を持ちかけましたが、その前にロスバッハの戦いが勃発し、フランス軍はプロイセン軍に大敗を喫しました。この結果、イギリスは強気に出て交渉を拒否し、フランス軍を攻撃してハノーファーから追放しました。また、その後はドイツ諸侯軍を再結集し、連合軍を形成してフランス軍と戦い続けました。

クローステル・ツェーヴェン協定は、七年戦争における重要な出来事の一つであり、戦局を大きく変える要因ともなったのです。

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