クローディーヌ・オージェ

クローディーヌ・オージェ（Claudine Auger）は、1941年4月26日にフランスのパリで生を受け、2019年12月18日に同じくパリでその生涯を閉じたフランス出身の女優です。時にはクロディーヌ・オジェと表記されることもあります。

彼女の華やかなキャリアは、若くして開花しました。1958年、オージェはフランスの美を競うコンテストで準ミス・フランスに輝き、さらにミス・ワールドのフランス代表にも選出されます。この栄誉がきっかけとなり、彼女は女優としての道を歩み始めることになりました。演技の基礎を学ぶため、パリにあるフランス国立高等演劇学校で専門的な訓練を受けています。

クローディーヌ・オージェは、自身の年齢に比して非常に成熟した感性の持ち主だったようです。わずか14歳で演劇の学習を開始し、16歳を迎える頃には、当時41歳だった作家であり映画監督でもあるピエール・ガスパール＝ユイとの結婚を決意します。二人の間には大きな年齢差があったため、オージェの両親は猛烈に反対しましたが、彼女は「もし正式な結婚が認められないのであれば、愛人という立場でも構わない」とまで訴え、最終的に両親の承諾を得て結婚に至りました。

クローディーヌ・オージェの名が国際的に広く知られるようになったのは、スパイアクション映画の金字塔である「007」シリーズに出演したことによります。1965年に公開されたシリーズ第四作『サンダーボール作戦』（Thunderball）において、彼女はヒロインの一人であるボンドガール、ドミノ役を演じました。この大作映画での存在感ある演技は、彼女を一躍世界的なスターダムへと押し上げました。

「007 サンダーボール作戦」での成功後も、クローディーヌ・オージェは数々の映画やテレビドラマに出演し、フランス国内はもとよりヨーロッパを中心に活躍を続けました。特に日本の映画ファンにとっては、1976年に製作された東宝映画『パリの哀愁』での出演が記憶に残るかもしれません。この作品で彼女は、日本の人気歌手であり俳優でもある沢田研二氏との共演を果たしています。国際的な舞台で活躍しつつも、異文化圏の作品にも積極的に関わる柔軟性を持っていました。

晩年のクローディーヌ・オージェは、長きにわたり病と闘う生活を送っていました。そして、2019年12月18日、生まれ故郷であるフランスのパリで、78歳の生涯に静かに幕を下ろしました。国際的な女優として輝かしいキャリアを築き、多くの人々に愛された彼女の死は、映画界に惜しまれました。

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