クロード＝ラモラル1世・ド・リーニュ

クロード＝ラモラル1世・ド・リーニュ（Claude-Lamoral Ier de Ligne, 1618年10月8日 - 1679年12月21日）は、スペイン領ネーデルラント（現在のベルギー、オランダ、ルクセンブルク周辺地域）における軍人・外交官として名を馳せました。彼は第3代リーニュ公、アンブリス公、そしてエピノワ公という称号も有していました。

リーニュ公ラモラル1世の長男であるルベ侯爵フロラン・ド・リーニュと、シャリニー伯アンリの娘ルイーズ・ド・ロレーヌの間に生まれた次男でした。元々は、3歳年上の兄アルベール・アンリが祖父からリーニュ家の家督を継承していましたが、1641年に若くして亡くなったため、クロード＝ラモラル1世が後を継ぐことになりました。

彼は1642年に、兄の未亡人であるクレール＝マリー（1621年 - 1695年）と結婚しました。クレール＝マリーは、クロード＝ラモラルの叔母エルネスティーヌとナッサウ＝ジーゲン伯ヨハン8世の娘であり、彼にとって実の従妹にあたります。1646年には、その功績が認められ、名誉ある金羊毛勲章を授与されました。

1649年から1669年の間、クロード＝ラモラル1世はスペイン領ネーデルラント軍において、序列第3位の騎兵隊大将という要職を務めました。1660年には、スペイン王の使節としてロンドン宮廷を訪問し、外交手腕を発揮しました。1670年から1674年にかけては、シチリア副王としてシチリア島の統治に携わりました。当時、シチリア島沿岸部はバルバリア海賊による襲撃が頻発しており、彼は沿岸部の要塞化を進め、防衛を強化することで住民の安全を確保しました。海賊によって略取された住民が奴隷市場に売り飛ばされるという事態を防ぐため、彼は尽力したのです。

1674年には、ミラノ公領総督に転任し、亡くなる前年の1678年までその職を務めました。彼の死後、未亡人となったクレール＝マリーは、リーニュ家の居城であるベルイユ城を大規模に拡張し、城の正面には6ヘクタールもの広さを持つ人工池を含む、25ヘクタールに及ぶ壮大なフランス式庭園を整備しました。この庭園は、彼の業績を称えるとともに、リーニュ家の権威を示す象徴となりました。

子女

クロード＝ラモラル1世は、妻クレール＝マリーとの間に4人の子供をもうけました。

アンリ・ルイ・エルネスト（1644年 - 1702年） - 第4代リーニュ公、クロード＝ラモラル2世の父
プロコプ・イアサント（生年不明 - 1704年） - モイ侯爵、フランス軍陸軍中将、1682年アンヌ・カトリーヌ・ド・ブロイと結婚
クレール・ルイーズ（生年不明 - 1684年） - 1664年第4代アヴェイロ公爵ハイムンド・デ・レンカストレと初婚、第10代オニャーテ伯爵イニゴ・マヌエル・ベレス・ラドロン・デ・ゲバラと再婚
シャルル・ジョゼフ・プロコプ（1661年 - 1713年） - 1684年、第29代スーザ女領主・第2代アロンシェス女侯爵マリアナ・デ・スーザと結婚
* ルイザ・デ・スーザ・イ・リーニュ（1694年 - 1729年） - 1715年初代ラフォンイス公爵ミゲル・デ・ブラガンサと結婚

このように、クロード＝ラモラル1世・ド・リーニュは、軍人、外交官、そして領主として多岐にわたる分野で活躍し、その生涯を通じてスペイン領ネーデルラントの発展に貢献しました。彼の子孫もまた、ヨーロッパ各地で重要な役割を果たし、その血筋は今日まで続いています。

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