クーネオ包囲戦 (1691年)

クーネオ包囲戦

クーネオ包囲戦（英: Siege of Cuneo）は、1691年6月28日にサヴォイア公国のクーネオで行われた戦闘です。この戦いは、大同盟戦争の一環として、フランス王ルイ14世の命により実施されました。フランス軍はサヴォイア公ヴィットーリオ・アメデーオ2世に対抗する戦略を取る中でクーネオを包囲しましたが、最終的には失敗に終わります。

背景

サヴォイア公ヴィットーリオ・アメデーオ2世は、フランスの圧力から逃れるため、1690年にアウクスブルク同盟に参加しようとしました。しかし、同年のスタッファルダの戦いでフランスのカティナ元帥に大敗してしまいます。その後、フランス軍はペーモンテの土地を次々と制圧しますが、途中で補給の不備が重なり、1690年末には撤退を余儀なくされました。

1691年、フランス軍は再び戦役を開始します。3月にはカティナがニースという重要な地域に進攻し、町を占領しました。これに続いて、彼はニースからフランスの支配が拡大することを目指しました。ニースがほぼ無傷で占領された後、フランス軍はサヴォイア公国への圧力を強めます。

包囲の経過

アルプス山脈の戦略的拠点であるクーネオは、フランス軍によって攻撃されました。カティナは数々の町を侵略しながら、クーネオを包囲する命令を出しました。同時に、フキエール侯爵がピネローロから出撃し、フランス軍に対する撃退を図ります。

しかし、フランス軍は指揮官の無能と補給不足により、クーネオの占領は失敗に終わります。神聖ローマ帝国軍が増援として到着したことが決定的な要因でした。ビュロンドは包囲を解除し、フランス軍は700人から800人の兵士を失い、退却を余儀なくされます。

クーネオの駐留軍は毅然としており、帝国軍の増援が来るまで持ちこたえました。オイゲン公が到着した際にも、クーネオは守られ続けていました。フランス軍の本軍は急いでトリノに退却し、敗北の戦いを記憶しました。

戦闘後の動き

包囲戦の後、フキエールはカザーレへと進軍しますが、フランス軍は兵力と補給の難を抱え続け、改善の兆しは見えませんでした。サヴォイアも、強化された同盟軍に後押しされて、再度の攻撃に向かいます。

しかし、その後の月々でイタリア戦役が展開される中、フランス軍は再び包囲を強化し、相手国との交渉が始まるも、状況の好転は見られませんでした。特に9月26日には、有利な条件を持つ同盟軍がカルマニョーラを奪回し、フランス軍の士気をさらに低下させました。

フランス軍は一時的にクーネオにおいて成果を挙げたものの、サヴォイア公国の中心部分では戦争の進展が限られ、結果としてルイ14世自身も難しい立場に置かれました。戦争は続き、イタリアにおけるフランスの軍事的な立場が試練を迎えることとなるのです。

この包囲戦の結果、フランス軍は戦略的に重要な地点を保持することができず、サヴォイア公国の維持においても多くの問題を抱え込むかたちとなりました。クーネオ包囲戦は、フランス軍にとって苦杯を味わう一戦となったのでした。

もう一度検索