クーラ・シェイカー

クーラ・シェイカー（Kula Shaker）

クーラ・シェイカーは、1990年代にブリットポップシーンで異彩を放った、イギリス・ロンドン出身のロックバンドです。1960年代のロックンロールに、インド音楽の要素を融合させた、グルーヴィでサイケデリックなサウンドが特徴です。バンド名は、9世紀のインドの王、クラシェカラに由来します。

バンドの概要

1995年にメジャーデビュー。デビュー当初から、その音楽性と独特な世界観で人気を博しました。特に、ボーカルのクリスピアン・ミルズのルックスも手伝い、日本での人気は爆発的でした。ブリットポップブームの終焉とともに一時解散しましたが、2006年に再結成を果たし、現在も活動を継続しています。

メンバー

現メンバー

クリスピアン・ミルズ (Crispian Mills)：ボーカル、ギター。
バンドの中心人物で、全ての楽曲の作詞・作曲を担当。仏教徒としても知られています。
映画監督のロイ・ボールティングを父に、女優のヘイリー・ミルズを母に持ちます。

アロンザ・ベヴァン (Alonza Bevan)：ベース、ピアノ。
クリスピアンと共にバンドの前身を結成した最古参メンバー。
フィンガーピッキングを基本としたベースプレイは、ジョニー・マーからも高く評価されています。
セルフプロデュースも手掛け、ハットを愛用しています。

ポール・ウィンターハート (Paul Winterhart)：ドラムス。
ジャズ奏者の両親を持つ。
再結成後、ドラムの技術が著しく向上したとメンバーから絶賛されています。

ジェイ・ダーリントン (Jay Darlington)：オルガン。
1994年に加入、一時脱退するも2022年に復帰しました。
オアシスのツアーメンバーとしても活動していました。

元メンバー

ハリー・ブロードベント (Harry Broadbent)：オルガン、キーボード。
再結成時にジェイの後任として加入。
クリスピアンの従兄弟の紹介で加入したという経緯を持ちます。
ヒゲがトレードマークです。

バンドの歴史

結成

クリスピアンとアロンザは、リッチモンド・アポン・テムズ・カレッジで出会い、バンド「ニュー・オリジナルス」を結成。その後、メンバーチェンジやバンド名の変更を重ね、1990年には「ザ・クレイズ」として活動を開始しました。クリスピアンは、インドへの旅で東洋哲学に触れ、大きな影響を受けました。それがきっかけとなり、バンド名を「クーラ・シェイカー」と改名し再スタートを切りました。

デビューから『K』期

1995年、バンドはマンチェスターの新人バンドコンテストで1位を獲得。これを機に、コロムビア・レコードと契約しました。1996年には、プレデビュー盤のリリースに続き、「グレイトフル・ホウェン・ユーアー・デッド」「タットヴァ」「ヘイ・デュード」などのシングルが次々とヒットしました。特に、デビューアルバム『K』は、全英初登場1位を記録し、オアシス以来の最速売り上げを達成。ブリットポップブームを代表するバンドの一つとなりました。

『ペザンツ、ピッグス&アストロノーツ』期から解散

ブリット・アウォーズ新人賞を受賞し、人気絶頂期を迎えたバンドでしたが、クリスピアンの発言がメディアから批判を浴びるようになります。1999年にリリースされたセカンドアルバム『ペザンツ、ピッグス&アストロノーツ』は、音楽的には高い評価を受けたものの、商業的には前作ほどの成功を収めることができませんでした。相次ぐバッシングや制作費の増大によりバンドは機能不全に陥り、1999年9月に解散を発表しました。

解散後からザ・ジーヴァズ期

解散後、メンバーはそれぞれの音楽活動を開始しました。クリスピアンは、2002年に3ピースバンド「ザ・ジーヴァズ」を結成。クーラ・シェイカー時代とは異なる、シンプルなギターロックを演奏しました。日本で一定の成功を収めましたが、本国では振るわず、2004年に解散しました。

再結成から『ストレンジフォーク』期

2005年、チャリティーアルバムの企画をきっかけに、ジェイを除くオリジナルメンバーで再結成。2006年にはフジロックフェスティバルに出演し、復活を遂げました。その後、ミニアルバムや3枚目のアルバム『ストレンジフォーク』をリリース。以前のインド色は控えめになり、ブルージーかつフォーキーなサウンドが特徴となっています。2008年には、1999年以来となる日本ツアーを敢行しました。

『ピルグリムス・プログレス』期から現在

2010年には4枚目のアルバム『Pilgrim's Progress』をリリース。その後も精力的に活動を続け、2016年には『K 2.0』、2022年には『ファースト・コングリゲイショナル・チャーチ・オブ・エターナル・ラヴ・アンド・フリー・ハグス』、そして2024年には『ナチュラル・マジック』を発表しました。2022年末にはジェイが復帰し、オリジナルメンバーでの来日公演も実現しています。

ディスコグラフィー

オリジナルアルバム

K (1996年)
ペザンツ、ピッグス&アストロノーツ (1999年)
ストレンジフォーク (2007年)
ピルグリムス・プログレス (2010年)
K 2.0 (2016年)
ファースト・コングリゲイショナル・チャーチ・オブ・エターナル・ラヴ・アンド・フリー・ハグス(2022年)
ナチュラル・マジック(2024年)

ベストアルバム

ザ・ベスト・オブ・クーラ・シェイカー (2003年)
Tattva : The Very Best Of Kula Shaker (2007年)

シングル（全英チャート）

Tattva (Lucky 13 Mix) (1996年)
グレイフル・ホウェン・ユア・デッド (1996年) - 35位
タットヴァ (1996年) - 4位
ヘイ・デュード (1996年) - 2位
ゴヴィンダ (1996年) - 7位
ハッシュ (1997年) - 2位
サウンド・オブ・ドラムス (1998年) - 3位
ミスティカル・マシン・ガン (1999年) - 14位
シャワー・ユア・ラヴ (1999年) - 14位
セカンド・サイト (2007年) - 101位

EP

Summer Sun EP (1997年)
リヴェンジ・オブ・ザ・キング (2006年)
フリーダム・ラヴィン・ピーポーEP (2007年)

日本公演

1996年
1999年
2006年 FUJI ROCK FESTIVAL 06
2007年 FUJI ROCK FESTIVAL 07
2008年
2010年 FUJI ROCK FESTIVAL 10
2016年 FUJI ROCK FESTIVAL 16
2016年 11月
2022年 SUMMER SONIC 2022
2023年 2月
2024年 2月

外部リンク

Official Website

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