ジョニー・マー

ジョニー・マー（Johnny Marr, 1963年10月31日 - ）は、イギリス出身のギタリストであり、その音楽的才能は世界的に高く評価されています。マンチェスターで生まれ、1980年代にはザ・スミスの中心メンバーとして活躍し、その革新的なギタープレイは、オアシスのノエル・ギャラガーや元スウェードのバーナード・バトラーなど、多くのギタリストに影響を与えました。2011年には、「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のギタリスト」で第51位にランクインしています。

生い立ちとキャリア

アイルランド系移民の子として生まれたジョニー・マーは、両親の故郷であるアイルランドのキルデア県の影響を受けながら育ちました。マーク・ボラン、ロリー・ギャラガー、パティ・スミスといったミュージシャンからの影響を受け、1982年にザ・スミスを結成。ザ・スミスはイギリス国内で絶大な人気を誇りましたが、人気絶頂の1987年にマーはバンドを脱退。その後、ザ・スミスは解散へと至りました。

しかし、マーの音楽活動は止まることなく、1987年末にはプリテンダーズのツアーに参加。1989年から1993年まではザ・ザのメンバーとして活躍し、アルバム『マインド・ボム』（1989年）と『ダスク』（1993年）に参加しました。1989年には、ニュー・オーダーのバーナード・サムナーとスーパーグループ、エレクトロニックを結成し、ペット・ショップ・ボーイズのニール・テナントらを迎え、シングルリリースや3枚のアルバムを発表しました。

その他にも、セッションミュージシャンとして、プリテンダーズ、ペット・ショップ・ボーイズ、ブライアン・フェリー、ビリー・ブラッグ、ブラック・グレープ、ベック、オアシスなど、数多くのアーティストと共演しています。2000年には、リンゴ・スターの息子ザック・スターキーらとジョニー・マー＆ザ・ヒーラーズを結成。プロデューサーとしても活躍しています。

2006年には、アメリカのロックバンド、モデスト・マウスに正式メンバーとして加入し、アイザック・ブロックと楽曲を共作。ライブにも参加しました。この時期にオレゴン州ポートランドに移住しましたが、2013年に初のソロアルバム制作のため、故郷のマンチェスターに戻っています。2008年には、イギリスのロックバンド、クリブスに正式加入し、2009年のアルバム『Ignore The Ignorant』に参加。2010年には、クリストファー・ノーラン監督の映画『インセプション』のサウンドトラックで、ハンス・ジマーの作曲による楽曲でギタリストとして参加しています。

2013年には1stソロアルバム『ザ・メッセンジャー』をリリース。その後、2014年に2ndソロアルバム『プレイランド』、2018年に3rdソロアルバム『コール・ザ・コメット』を発表し、ソロアーティストとしてのキャリアも確立しました。

プレイスタイル

ジョニー・マーのプレイスタイルは、ソングライターとしての視点が強く反映されています。「ギタリストはあくまで伴奏者である」というポリシーを持ち、テクニックを誇示するのではなく、楽曲に最適なフレーズを弾くことに重点を置いています。彼のギタープレイは、流麗なバッキングリフが特徴で、メロディラインとは異なる旋律を奏でることで、楽曲に深みを与えます。「ギター1本でフィル・スペクターを演奏する」という意気込みを体現していると言えるでしょう。「ハウ・スーン・イズ・ナウ」のようなエフェクティブなプレイにおいても、その才能を発揮し、多様なアイデアをギターで表現することに長けたミュージシャンです。

発言集

作曲について、マーは「曲を書くことはそれほど難しいことではない、それが仕事だから」と語っています。ギタリストとしての成功については、「レス・ポールが言っていたように、ラジオで自分のプレイを母親が聴いて、それが息子だとわかるようになれば、ギタリストとして一人前だ」という考えを示しています。また、パンク・ロックについては、「今振り返れば良い曲もあるが、ほとんどがクソだ。ザ・ジャムなどは、いかにヘタクソに演奏するかを競っているようだった」と批判的な見解を示しています。バート・ヤンシュのプレイについては、「真に革新的な人なら、取り入れたものに自分なりの“捻り”を加えることで、それらを新しく生まれ変わらせるだろう」と述べています。

ディスコグラフィ

ソロアルバム:

ザ・メッセンジャー - The Messenger (2013年)
プレイランド - Playland (2014年)
* コール・ザ・コメット - Call The Comet (2018年)

ジョニー・マーは、その多才な才能と音楽への情熱で、今後も音楽シーンで活躍し続けるでしょう。

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