ク12 (航空機)

ク12滑空機の概要

ク12は、大日本帝国陸軍によって試作された滑空機であり、福田軽飛行機が手掛けた設計です。この機体は、特に1943年の陸軍航空本部のプランに沿って、練習用滑空機の一環として開発されました。

背景

1943年1月、陸軍航空本部は新たな研究方針を定め、1944年3月までに練習用滑空機の開発と審査を完了させることを目指しました。この計画に基づき、ク12が開発されたのです。プロジェクトは上級滑空機の中では、中級滑空機として位置づけられ、主に自動車での牽引が行えるよう設計されました。

機体の設計

ク12は、日本初の複座中級滑空機としての特徴を持っています。機体の構造はシンプルで、胴体は主に枠組みのみで構成されています。前部にはナセルが設置され、機体のデザインは機能美を兼ね備えています。座席はタンデム配置となっており、後席は胴体内に収められる形になっています。これにより、2名の乗員が搭乗可能です。

主翼は半片持ち式のテーパー翼で構成されており、これがク12の飛行特性に寄与しました。このような翼設計は、空気抵抗を軽減し、より効率的な飛行を可能にします。

諸元

ク12のスペックとしては、全長が7.0メートル、全幅が14.0メートル、自重は180キログラム、全備重量は320キログラム、滑空速度は55km/hから65km/hの範囲に設定されています。搭乗可能な乗員数は2名ということで、練習用途においては十分なスペースを提供しています。

使用状況

試作機自体は製作されたものの、正式な採用には至らず、ク12は「光式6.3型」として名前が変わった少数の機体が民間で活用されました。そうした経緯から、ク12は大日本帝国陸軍の試作機としての歴史の中で特別な位置を占めています。

参考文献

この情報についての詳細は、秋本実の著作「日本の軍用滑空機 その2」（『航空ファン』第42巻第2号、文林堂、1993年2月）にも記載されています。161ページから164ページにかけて、より深い理解を得るための資料として参照することができます。

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