グアスタッラ公国

グアスタッラ公国：北イタリアの小国の興亡

グアスタッラ公国（イタリア語: Ducato di Guastalla）は、かつてイタリア半島北部に存在した国です。その歴史は伯爵領として始まり、数々の変遷を経て、最終的にはイタリア王国へと統合されました。この地は、現在のエミリア＝ロマーニャ州に位置するグアスタッラの街を中心としていました。

伯爵領から公国へ

グアスタッラの歴史は、1406年にグイード・トレッリが伯爵の称号を得た時に遡ります。トレッリ家はその後、1539年までこの地を治めましたが、経済的な困窮から所領をフェランテ1世・ゴンザーガに売却せざるを得なくなりました。ゴンザーガ家は、その後1621年に公爵の称号を得て、グアスタッラは公国へと昇格しました。

しかし、ゴンザーガ家の統治も長くは続きませんでした。1746年、最後の公爵ジュゼッペ・マリーアが後継者を残さずに亡くなったことで、グアスタッラ公国はオーストリアのマリア・テレジアが統治するロンバルディアへと吸収されることになります。

パルマ公国への編入と終焉

その後、アーヘンの和約により、グアスタッラはパルマ公国に属することとなりました。そして、1859年にイタリア王国が成立すると、グアスタッラは完全にその領土へと統合され、公国としての歴史に幕を閉じました。

グアスタッラの統治者たち

グアスタッラの統治者は、時代とともにその家系を変えていきました。以下に主な統治者たちを列挙します。

グアスタッラの僭主（1307年 - 1406年）

ジベルト3世・ダ・コッレッジョ (Giberto III da Correggio) 1307-1321
シモーネ・ダ・コッレッジョ (Simone da Correggio) 1321-1346
グイード・ダ・コッレッジョ (Guido da Correggio)
アッツォーネ・ダ・コッレッジョ (Azzone da Correggio)
ジョヴァンニ・ダ・コッレッジョ (Giovanni da Correggio)
オットーネ・テルツィ (Ottone Terzi) 1403-1406
グイード・トレッリ (Guido Torelli) 1406-1428

グアスタッラ伯（1428年 - 1621年）

グイード・トレッリ 1428-1449
クリストーフォロ・トレッリ (Cristoforo Torelli) 1449-1456
ピエトロ・グイード1世・トレッリ (Pietro Guido I Torelli) 1449-1456
ピエトロ・グイード1世・トレッリ 1456-1460
グイード・ガレオット・トレッリ (Guido Galeotto Torelli) 1460-1480
フランチェスコ・マリーア・トレッリ (Francesco Maria Torelli) 1460-1480
フランチェスコ・マリーア・トレッリ 1480-1486
ピエトロ・グイード2世・トレッリ (Pietro Guido II Torelli) 1486-1494
アキッレ・トレッリ (Achille Torelli) 1494-1522
ルイーザ・トレッリ (Luisa Torelli) 1552-1539
フェランテ1世・ゴンザーガ (Ferrante I Gonzaga) 1539-1557
チェーザレ1世・ゴンザーガ (Cesare I Gonzaga) 1557-1575
フェランテ2世・ゴンザーガ (Ferrante II Gonzaga) 1575-1621

グアスタッラ公（1621年 - 1746年）

フェランテ2世・ゴンザーガ 1621-1632
チェーザレ2世・ゴンザーガ (Cesare II Gonzaga) 1632
フェランテ3世・ゴンザーガ (Ferrante III Gonzaga) 1632-1678
ヴィンチェンツォ・ゴンザーガ (Vincenzo Gonzaga) 1693-1702
ヴィンチェンツォ・ゴンザーガ 1704-1714
アントーニオ・フェルディナンド・ゴンザーガ (Antonio Ferdinando Gonzaga) 1714-1729
ジュゼッペ・マリーア・ゴンザーガ (Giuseppe Maria Gonzaga) 1729-1734
ジュゼッペ・マリーア・ゴンザーガ 1738-1746

グアスタッラ公（1805年 - 1813年）

* カミッロ・フィリッポ・ルドヴィーコ・ボルゲーゼ (Camillo Filippo Ludovico Borghese) 1805-1813

グアスタッラ公国の歴史は、イタリア統一という大きな流れの中で、翻弄されながらも独自の存在感を示した小国の物語として、記憶されるべきでしょう。

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