グスタフ4世アドルフ (スウェーデン王)

グスタフ4世アドルフとは

グスタフ4世アドルフ（Gustav IV Adolf）は、1778年11月1日にスウェーデンのストックホルムで生まれ、1837年2月7日に亡くなったスウェーデン王国の国王です。ホルシュタイン＝ゴットルプ王朝の一員であり、在位期間は1792年から1809年までの約17年間でした。彼は、スウェーデン王グスタフ3世と王妃ソフィア・マグダレーナの息子として誕生しました。

即位と教育

彼は幼少期、ニルス・フォン・ローゼンシュタインからの厳格な教育を受け、まじめで誠実な性格に成長しました。しかし、1792年3月に父であるグスタフ3世が暗殺されたことにより、グスタフ4世は未成年ながらも王位に即位します。彼の治世は不安定な状況で幕を開けました。

皇帝への婚約

1796年、グスタフ4世はロシア皇帝エカチェリーナ2世の孫娘アレクサンドラ・パヴロヴナとの婚約が取り沙汰されますが、彼女がギリシャ正教を維持することを希望したため、婚約は成立しませんでした。この出来事は彼にとっての大きな挫折となりました。

政治的動向と反動政策

グスタフ4世は1796年11月から本格的に親政を開始しますが、フランス革命の流れを忌避し、議会を招集しないために戴冠式を延期しました。その結果、経済状況の悪化も影響し、重要な政策を施行せざるを得ない状況になります。1800年にはついに議会を召集し、戴冠式を行いましたが、政治的には苦境に立たされていました。

対仏大同盟と敗北

1804年、フランス側での動向が強まる中、グスタフ4世は対仏大同盟に参加することを決定。しかし、フランス軍との戦闘が続く中でスウェーデン軍はあまり効果的な行動を取れませんでした。さらには、フランス皇帝ナポレオンからの接触にも抵抗し続けた結果、スウェーデン領ポメラニアはフランスに占領されてしまいます。

戦争と外交の失敗

1808年から1809年にかけてのロシア・スウェーデン戦争では、彼の意思に反しフィンランドを失う事態に陥ります。その一方で、国民からの支持を失い、政権への不満が高まりました。

クーデターと退位

ついに1809年、グスタフ4世はクーデターにより逮捕され、グリプスホルム城に連行されます。その後、議会は彼の退位を宣言し、息子グスタフへの王位継承も拒否されました。最終的に、新しい国王カール13世が即位し、グスタフ4世はドイツに追放されました。

追放後の生活

追放後は「ゴットルプ伯」と名乗り、著作活動に取り組みましたが、孤独な生活を強いられました。1812年には妻と離婚し、子供とも引き離されました。晩年はスイスで静かに過ごし、1837年に亡くなります。彼の遺体は後にスウェーデンに返還され、リッダルホルム教会に埋葬されました。

家族

グスタフ4世アドルフは1797年にバーデン大公世子の娘フリーデリケと結婚。この結婚もまた戦争の引き金となる恐れがありましたが、国際情勢の影響を受けて回避されました。彼には子供が数人おり、特に後のヴァーサ公となるグスタフが著名です。

このように、グスタフ4世アドルフの生涯は王としての運命と激動との連続であり、歴史の中で特異な存在として残っています。

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